研究課題/領域番号 |
22KK0105
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
山崎 曜 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 助教 (40816021)
|
研究分担者 |
北野 潤 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 教授 (80346105)
石川 麻乃 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (20722101)
細木 拓也 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 特任研究員 (80965773)
|
研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
|
キーワード | 収斂進化 / 突然変異順序 / 予測可能性 / 適応進化 / トゲウオ |
研究開始時の研究の概要 |
進化はどの程度まで予測可能だろうか?異なる系統が同じ環境に進出することで類似の形質が進化する現象である収斂進化を比較することで,共通点(=予測可能な点)と相違点(= 予測不可能な点)を解明できる.トゲウオ科のイトヨでは,日本,カナダ,スイスの淡水域において防御形態である鱗板の減少が収斂進化している.この原因突然変異が生じた順番に予測性はあるのだろうか.本研究では,イトヨでの鱗板の収斂進化を引き起こす突然変異の固定プロセスに予測可能性があるのかを,突然変異の順序の推定,突然変異 間の相互作用の検証,突然変異の効果の大小と進化順序の相関の検証を通じて明らかにする.
|
研究実績の概要 |
進化はどの程度まで予測可能だろうか?異なる系統が同じ環境に進出することで類似の形質が進化する現象である収斂進化を比較することで,共通点(=予測可能な点)と相違点(= 予測不可能な点)を解明できる.トゲウオ科のイトヨでは,日本,カナダ,スイスの淡水域において防御形態である鱗板の減少が収斂進化している.この原因突然変異が生じた順番に予測性はあるのだろうか.本研究では,イトヨでの鱗板の収斂進化を引き起こす突然変異の固定プロセスに予測可能性があるのかを,突然変異の順序の推定,突然変異 間の相互作用の検証,突然変異の効果の大小と進化順序の相関の検証を通じて明らかにする. 本年度は以下の研究を行った.まず日本の鱗板欠損型の原因ゲノム領域を絞り込むための雑種家系を作成した.順調に生育すれば,2023年度にQTL解析が行える予定である.次に鱗板欠損の異なる原因変異間での相互作用による適応度の低下の有無を検証するため,日本とカナダの鱗板欠損型の間でのF2家系を作成した.親魚は研究を速やかに進めるために,海外共同研究者からの送付を受けた.これらの稚魚を研究所内の半野外池に11月に放流し,成長率や死亡率を計測する実験を実施している.繁殖前の4月に魚を回収する予定にしている.イタリアで開催されたGordon Research Conferenceに参加し,その際に海外共同研究者であるKatie Peichel教授と議論を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
QTL解析用のF2家系の作成や半野外池での実験の実施など,次年度以降にデータを取得する準備を実行できた.
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は以下の研究を行う.まず前年度作成したQTL用の家系でF2を1000個体程度作成し,鱗板変異の原因ゲノム領域を絞り込む.絞り込みに成功した場合は,その領域に変異が生じた年代をAncestral Recombination Graph解析で推定する.EdaとEdarへの突然変異が遺伝子発現の変化を通じて鱗板枚数の変化を引き起こしたことを示すために,qPCR解析による遺伝子発現解析を行う.昨年度実施した半野外池に放流した魚を回収し,日本とカナダのEdaとEdarの対立遺伝子の組み合わせが成長率や死亡率を説明するかどうかを検証する.同様の実験を再度実施するため,日本とカナダの間,日本とヨーロッパの間のF2個体を作成し,半野外池に放流する.以上の実験に使用する魚の入手や海外共同研究者との議論のために,カナダとスイスに渡航する.
|