研究課題/領域番号 |
22KK0120
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関澤 信一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80760420)
|
研究分担者 |
桑原 正貴 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30205273)
栃内 亮太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (90833997)
|
研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
20,150千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 4,650千円)
2025年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 乳幼児突然死 / 副流煙 / GABA / グリシン / 孤束核 / 妊娠 / 抑制性介在神経 / SIDS / 抑制性介在性神経細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
乳幼児突然死症候群(SIDS)において、受動喫煙(SHS)は大きなリスク要因である。申請者は、生後発達する呼吸循環器制御機構が、神経発達転換期と呼ばれる時期に脆弱になることがSIDSの原因であると考えた。具体的に、抑制性介在神経のグリシンからGABA優位性へのシフトがSHSの曝露により攪乱されリスクが増大するとの仮説である。SHS曝露をツールとして利用するため、当該分野で優れた実績のあるカリフォルニア大Pinkerton教授と国際共同研究を実施し、脳幹の孤束核を標的に、神経発達転換期前後における、抑制性介在神経の性状変化を免疫組織学、分子生物学、電気生理学の手法を駆使して研究する。
|
研究実績の概要 |
University of California Davis校のKent Pinkerton教授との共同研究の一環として現地に赴き、妊娠ラットおよびその出産後の授乳期に副流煙曝露を行った。本研究では、新生児の呼吸関連神経核における抑制性介在神経の発達、あるいはGABA/グリシンのスウィッチングをテーマにしていることから、新生児が母体内にいる時には、子宮・胎盤を介した副流煙の間接的曝露、出生後は副流煙の直接曝露及び母乳を介した間接的曝露となる。 若手研究者の海外機関における研究経験を促進すべく、博士課程大学院生も本研究・実験に参加した。 呼吸循環器機能発達のcritical periodと呼ばれる時期、ラットでは、生後14日齢前後と考えられているが、その前後における新生児ラットから延髄を摘出し、中性ホルマリンを用いて組織固定を行った。対照群として、副流煙の代替にフィルターで浄化された空気を曝露された動物が用いられた。GABA作動性神経(GAD67)、グリシン作動性神経(GlyT2)、神経核(NeuN)等を標識できるよう、蛍光免疫染色を実施し、抗体の濃度等、条件検討を行った。今後、摘出した組織を用いて呼吸循環器からの感覚情報が入力される孤束核を主な標的として免疫染色を実施し、critical period の前後でGABA作動性からグリシン作動性へのスウィッチング、あるいはその逆のスウィッチングが起っているか否か、起こっている場合、副流煙曝露の影響がどのようにあるのか、明らかにしていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り渡米して実験を行うことができ、大学院生の研究交流も促進した。 海外における研究費使用、例えば、動物等の購入等、カウンターパートのピンカートン教授が一時立て替えする形式で滞りなく実施できたが、USドルに対する円安の影響を受け、予定より大幅に費用がかかり、また抗体等(輸入品)の購入に支障を来たしつつあり、2024年度の進捗が気になる。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度も、副流煙曝露妊娠ラット・新生児を用いた研究を、University of California Davis校で実施する。孤束核や疑核、迷走神経背側運動核、舌下神経核等、呼吸制御に関連する神経核におけるグルタミン酸デカルボキシラーゼ67(GAD67)やグリシントランスポーター2のメッセンジャーRNAの発現状況を、critical period 前後で比較検討を行っていく。
|