研究課題/領域番号 |
22KK0130
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構三重病院(臨床研究部) |
研究代表者 |
谷口 清州 独立行政法人国立病院機構三重病院(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構三重病院, 院長 (40300933)
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研究分担者 |
阿戸 学 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター 感染制御部, 部長 (20392318)
水野 友美 独立行政法人国立病院機構三重病院(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構三重病院, 心理療法士 (50777943)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
19,890千円 (直接経費: 15,300千円、間接経費: 4,590千円)
2024年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2023年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ハンセン病 / サーベイランス / らい反応 |
研究開始時の研究の概要 |
ハンセン病は顧みられない熱帯病の一つであり、WHOはハンセン病ゼロを目指しているものの、ここ10年間はほぼ横ばいである。これを達成するためには、現状の種々の課題を解決するための包括的 サーベイランスと対応モデルが必要である。本研究においては、症候群アプローチを用いて、皮膚関連疾患を包括的に探知し、臨床疫学的な評価と微生物学的検査により早期診断を行い、治療と管理を行いつつ、分子生物学的な病原体解析や宿主因子のための検体を採取して研究につなげるようなモデルを構築する。
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研究実績の概要 |
WHO Global Leprosy Strategy 2021-2030では、SDGsに沿ったZero Leprosy戦略として2030年には120カ国において地域内感染例をゼロにする、新規感染者を70%減少させる、グレード2の機能障害症例を人口100万当たりで90%減少させることなどを目標としている。 一方、2011年以来感染者数の減少速度は世界のエンデミック国において停滞しており、 ガーナにおいても2020年の新規感染者は260例でこれは2015年以来ほとんど横ばいである。これら停滞の原因となっている問題点を特定し、サーベイランス戦略を見直し、新たな検査技術をもってZero Leprosyに向けての戦略を樹立することが目標である。 2022年度においては、有効に研究を進めるために、電子メールとオンライン会議にて、これまでの確定症例について実際のデータ解析結果から現状の課題を議論した。実際に探知されているほとんどの症例がMultibacillary 症例だが、本来一定の比率でPaucibacillary症例も存在するはずであり、想定したとおり症例の早期探知と検査診断が効果的に行われていない、すなわち最初のステップに多くの課題があることが考えられた。 オンライン会議にて、まず計画通りSkin related disease surveillanceを設計し、トレーニングセッションとラボのセットアップを計画した。2023年度に入って、現在、研究者2名がガーナに渡航中であり、ガーナ保健省・ガーナヘルスサービスおよび、Leprosy control program、Ankaful Leprosy General Hospitalと実際のセットアップを行っているところであり、第1四半期後半から具体的なトレーニングセッションを開始できる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究が採択されて以来、最初の活動である現状の評価と詳細な活動計画は、予定では渡航して行う予定であったが、COVID-19パンデミックの第7波から8波の流行に伴い、日本側の臨床の逼迫のため渡航が難しかった。都合良く時差もあるため、日本の夜間とガーナの朝にオンラインで議論を重ねた。この意味で当初予定していた活動計画に比して遅れている。 また、当然のことながらパンデミックはガーナにおける疾病対策にも大きな影響を及ぼしており、COVID-19の流行によりLeprosyの対策に於いても多くのことが停滞していたことが示され、2021年の探知症例数は更に減少していた。 これらの制限の元、ガーナ側のC/Pとともにこれまでの詳細なデータをもとにオンラインで議論を行い、多くの課題があることが判明した。しかしながら、打ち合わせの回を重ねるにつれ、現状の課題は整理でき、当初の想定通りの計画で進行できる目安が付いたことにより、現在の一回目の渡航で詳細な活動計画を確定し、フィールド、そして皮膚病変症例サーベイランスのセットアップまで行いつつあり、この意味では進捗状況としては追いつくことが可能であると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
5月中旬の渡航により、詳細な活動計画を立てているところであり、その後ひとりは6月中旬まで滞在し、実際のフィールドでのセットアップまで行ってくる予定である。まずはフィールドスタッフのトレーニングを行うとともに、検査診断の場所とスタッフの習熟度を確認して、検体採取・検査プロトコールを確定し、その後ラボチームが渡航して技術的な評価と指導に当たる予定である。 トレーニングセッションが終了し、プロトコールに沿ったサーベイランスプログラムが走り出すことによって、探知症例数と診断確定から治療に進む患者数が経時的にモニターできることとなる。 本年第2四半期から第3四半期に、サーベイランスチームとラボチームを現地に派遣し、サーベイランスの評価と検査診断の技術的なフォローアップを行う予定である。
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