研究課題/領域番号 |
22KK0133
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
檜山 英三 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 特任教授 (00218744)
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研究分担者 |
藤解 諒 広島大学, 病院(医), 医科診療医 (20967202)
栗原 將 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (40724894)
兒島 正人 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 助教 (80913376)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
20,020千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 4,620千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 肝腫瘍 / 肝芽腫 / バイオマーカー / 遺伝子発現 / メチル化 / 遺伝子変異 / 悪性度 / 臨床試験 |
研究開始時の研究の概要 |
小児肝腫瘍は、その希少性から、日本(アジア)と欧州、北米が各々の過去の多施設共同試験症例を併せたCHICデータベースを作成し、それを解析し、共通リスク分類を提唱して、グローバルな臨床試験(PHITT試験)を運用している。本研究で、より正確な診断と、現状のリスク分類に加えて、生物学的に難治・再発症例の層別ができるバイオマーカーの臨床応用することを目的に。各グループから其々のバンキング検体を解析した結果からの各々の候補マーカーについて、日米欧で同一検体で同じ解析法で検討して、診断や治療応用に有用な統一マーカーとその判定法を決定して、次期国際共同臨床試験(PHITT2試験)での検証へ展開する。
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研究実績の概要 |
小児肝腫瘍は、その希少性から、日本(アジア)と欧州、北米が過去の多施設共同試験を併せたデータベースと共通リスク分類で2018年からグローバル試験(PHITT試験)を運用しているが、難治・再発症例の層別が不十分で、これらを層別できるバイオマーカーの臨床応用が喫緊の課題である。現在、米国は遺伝子パネルを、欧州は PDXモデル作成と遺伝子発現解析、本邦ではメチル化解析を提唱しており、本研究では、欧米に赴いて同一検体でこれらの候補マーカーを同じ解析法で検討し、次期国際共同臨床試験(PHITT2試験)での検証への展開を目的としている。 本年度は、難治・再発例を診断時に層別するため、日米欧の3グループから国際共同で難治・再発例を層別可能なバイオマーカー候補を解析法と共に提示した。そのリストをもとに同一の検討法として、遺伝子解析はパネルにて、遺伝子発現は欧米で行われているNanostring法を検討し、従来の発現解析のデータとほぼ一致することを確認した。一方、本邦からは、メチル化解析法としてデジタルPCR法を提唱し、日米欧の凍結検体からのDNAや血中の遊離核酸(cfDNA)を用いての測定をお互いに行い、日欧米でも検討可能で、結果に乖離のないことを確認し、現在はパラフィン検体のDNA解析やmiRNA解析についての検討を開始している。また、各グループですでに終了した臨床試験でのサンプルを計50検体程度供出し、お互いに測定を行い、実際に臨床試験で実装可能なバイオマーカーを絞り込むこととして検討を開始している。PDXモデルについては、渡航と検体輸送の問題から、現在、その作成法の検討にとどまっている。従来の臨床試験症例やPHITT症例での検証結果を詳細に分析し、次期PHITT2試験で検証する有用かつ臨床現場で実装可能なバイオマーカーを提案する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染の拡大によって海外渡航が制限されたことから、当初予定していた欧州へ渡航してPDX作製を習得することができなかったことと、人材交流によって遺伝子発現やメチル化解析の手法の詳細の確認ができなかったため、やや研究が遅れている。一部は、Webでの意見交換を行ったことで、遺伝子発現やメチル化解析、デジタルPCRによるメチル化解析は予定していた成果に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ感染による海外渡航制限が緩和されたことから、2年目以降は海外渡航や人材交流を積極的に行い、PDXモデル解析、メチル化解析等について、Webカンファレンスも併用して、技術交流を行いながら、同一検体での日米欧での同一方法での検討を行い、以下の予定の解析を推進する。 1)遺伝子発現解析パネル:16遺伝子に新規候補遺伝子加えた新規遺伝子発現パネルを選定し、本邦の検体を欧米の対案する解析法(Nanostring法)にて有用性を評価する。 2)遺伝子変異、PDXモデル解析:欧州で運用されているPDXモデル作成について、本邦からの検体にて、パスツール研究所にて、PDXおよびオルガノイドの作製を行う。さら、これらのバイオマーカーとしての有用性と治療開発へのプロセスを確立する。 3)メチル化解析と遊離核酸(cfDNA、miRNA)解析:デジタルPCR解析による腫瘍DNAやcfDNAでのメチル化解析とともに、miRNA解析を進め、これらのマーカーの有用性を検証し、診断だけでなく、治療有効性さらにMRD検索のバイオマーカーとしての測定法と評価法を確立し、日欧米にて検出方法のノウハウを共有して、検出系を確定する。さらに、CHICのバイオロジーコミティ(BioCHIC)での検討やレビューを経たのちに、各グループに候補マーカーを提案する。従来の臨床試験症例や現行の共同試験(PHITT)症例でのこれらのマーカーの検証結果を詳細に分析し、有用でありさらに臨床現場で確実に測定可能なバイオマーカーについて、次期グローバル臨床試験(PHITT2)にて検証することを提案する。同時にPHITT2試験で国際共同でバイオマーカーを検証できる体制づくりもめざして研究を推進する。
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