リプロダクティブヘルス向上のための性感染症簡易検査と患者の選好に関する研究

• 研究課題/領域番号: 22KK0143
• 研究種目: 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
• 研究機関: 一橋大学
• 研究代表者: 本田 文子 一橋大学, 社会科学高等研究院, 教授 (80815027)
• 研究分担者: BOLT Timothy 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (40757564) ; 谷本 美保子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (80908301)
• 研究期間 (年度): 2022-10-07 – 2026-03-31
• 研究課題ステータス: 交付 (2023年度)
• 配分額: 18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円); 2025年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円); 2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円); 2023年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円); 2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
• キーワード: 離散選択実験 / 性感染症スクリーニング / 実装研究 / 低・中所得国 / サブサハラアフリカ / 性感染症 / 簡易迅速検査 / ジンバブエ / マダガスカル / 南アフリカ / グローバルヘルス / 医療技術評価

研究開始時の研究の概要

性感染症の早期発見と治療は、妊娠合併症のリスクを軽減し、女性の健康を守るため有効であるが、低・中所得国（LMIC）では、費用が高額となるため、性感染症のルーチン検査は一般に行われていない。ケープタウン大学の研究者グループは、LMICで性感染症のルーチン検査を促すため、低コストのラテラルフロー検査キット（GIFT）を開発した。本研究はGIFTの３つの診断試験サイト（ジンバブエ、マダガスカル、南アフリカ）で、簡易迅速検査としてGIFTを用いた性感染症診療について、患者の治療継続を促す要因を特定するため、離散選択実験（人々の選好を計測する研究）を実施し、実用性の高い診療ガイドラインの策定に貢献する。

研究実績の概要

２０２３年度は、性感染症のスクリーニングと治療に関する質的データ（ジンバブエ、マダガスカル、南アフリカの１８歳から３５歳の女性を対象に行なったインタビュー録）を分析し（５月－８月）、離散選択実験で用いる属性とレベルを特定した（８月－９月）。属性とレベルを最終化した後、実験デザインを策定し、Redcapを用いたアンドロイドベースのデータ収集ツール（質問票と離散選択実験用の選択質問）の開発を行った（９月－１０月）。ジンバブエ、マダガスカル、南アフリカで、データ収集を行うため、インタビュアーの訓練とデータ収集ツールのパイロットテストを行い、ツールを最終化した（１０月－１１月）。３カ国のフィールドサイトで、１８歳から３５歳の女性を対象（各サイト２００名、合計６００名）に、データ収集を行った（１１月―１月）。データ収集完了後、データのクリーニングと予備分析を行った（２月－３月）。離散選択実験と平行して、Stated Preference手法を性感染症の分野に応用した研究についてスコーピングレビューを行った。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

質的データの分析に、予定より時間を要したが、効率的なフィールドワークの実施により、２０２３年度中に、３カ国でのデータ収集を完了し、年度末までにデータクリーニングと予備分析を行うことができた。

今後の研究の推進方策

２０２４年度は、昨年度収集したデータの詳細分析を行い、サブサハラアフリカの３カ国で、性感染症のスクリーニングを効果的に実施する際の要件について、離散選択実験の結果をもとに、論文にまとめる。また、性感染症分野の研究におけるStated Preference手法の有用性について、スコーピングレビューの結果を論文にまとめる。

研究成果

• [国際共同研究] University of Cape Town/Desmond Tutu HIV Health Foundation(南アフリカ)
• [国際共同研究] OPHID(ジンバブエ)
• [国際共同研究] Institut Pasteur Madagascar(マダガスカル)
• [国際共同研究] LSHTM(英国)
• [国際共同研究] Burnet Institute(オーストラリア)
• [国際共同研究]
• [国際共同研究] University of Cape Town/Desmond Tutu HIV Health Foundation(南アフリカ)
• [国際共同研究] Biomedical Research & Training Inst(ジンバブエ)
• [国際共同研究] Institut Pasteur Madagascar(マダガスカル)
• [国際共同研究] LSHTM(英国)
• [雑誌論文] PA-456 Field testing of a novel point-of-care Genital InFlammation Test (GIFT) in low- middle-income countries in Africa: aiming to prevent HIV infection and improve reproductive health (2023)
  • 著者名/発表者名: Passmore, J.-A., M. Manhanzva, R. Tanko, T. Pidwell, F. Khumalo, M. Lurie, C. D. Chikwari, T. Mwaturura, K. Kranzer, C. Mackworth-Young, E. Kpokiri, S. Bernays, C. Fortas, B.-T. Huynh, K. Gill, K. Mahlangu, R. V. Randremanana, T. M. Gamana, A. Harimanana, E. v. d. Walt, A. Honda, 他９名
  • 雑誌名: BMJ Global Health 巻: 8 ページ: A85.1-A85
  • DOI: 10.1136/bmjgh-2023-edc.208
  • 査読あり / 国際共著