研究課題/領域番号 |
22KK0151
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
楠山 譲二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, テニュアトラック准教授 (70596105)
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研究分担者 |
高橋 宏和 佐賀大学, 医学部, 特任教授 (20607783)
冨賀 裕貴 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (50826394)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
20,020千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 4,620千円)
2026年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 胎盤 / 妊娠 / 運動 / 肥満 / エクサカイン / 母子間情報伝達 / SOD3 / プラセントカイン / 糖尿病 / 脂肪組織 |
研究開始時の研究の概要 |
妊婦の肥満や糖尿病は子に対して糖尿病をはじめとした慢性代謝性疾患の発症リスクを伝播させる。研究代表者はマウスモデルにおいて、妊娠期の運動がこの悪循環を防ぐ有用な方法であることを見出した。更に運動刺激を受容した胎盤が分泌するタンパク質が運動効果伝達因子であり、仔の糖代謝を正常化していることを明らかにした。本研究は、妊娠期運動効果を母体臓器がどのように胎盤に伝達して胎仔に影響を与えているのか、その仲介因子や生理調節機構の解明に関する国際共同研究を遂行することで、次世代の健康を守る有効な運動プログラム、母体運動効果を規定する臓器の同定、運動効果を予測可能なモニタリング開発によって実践的介入に繋げる。
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研究実績の概要 |
近年、妊婦の肥満、糖尿病は自身の健康に害悪を及ぼすだけでなく、子に対して糖尿病をはじめとした慢性代謝性疾患の発症リスクを伝播させる悪循環を引き起こすことが証明されている。我々はこれまでの研究によって、妊娠中の母マウスを車輪ケージで飼い自発運動させると、母親の肥満による仔マウスの耐糖能機能の低下を劇的に改善できることを見出した。そのメカニズムとして、母親の運動で胎盤から分泌されるSuperoxide dismutase 3 (SOD3)が母体運動効果の子への伝達因子であることを同定し、胎仔肝臓におけるエピゲノム修飾が重要な役割を果たすことを明らかにした。しかし、妊娠期運動をいつどのようにどのような強度で行い、それが胎盤由来SOD3や子の糖代謝能にどのような連関があるかはよく分かっていない。今年度は、妊娠期運動の効能を規定するための運動量、運動時間、運動タイミング、運動種類、評価のためのバイオマーカー、有益な効果との連関解析を行うために、運動実験を行うための予備プラットフォームの立案と設置を日本と米国両方で昨年度と同様に進めた。本解析は妊娠期介入の後に子に生理フェノタイプとして効果が生じるまでに、早くとも24週、最終的には短くとも52週までの飼育を必要とする。そのため、両者のマウス飼育管理のためのタイムスケジュールやスペースメイキング、コホートの設置タイミング等について、両国側で統一した解析を進めるように入念な計画実施体制の整備を進めた。現在52週齢までのマウスの生理学的解析が完了することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
妊娠期運動の効能を評価するための解析フローを、日米間で明確にすることができた。また懸案だったマウス飼育のためのスペースメイキングについても、予算に基づいた経年計画を具体的に進めることができた。飼育していたマウスの多くが解析終了時期である52週齢に達したため、生理学的解析を終えることができ、各臓器を剖出し、メカニズム解析へと移行する準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
剖出した臓器における遺伝子発現、エピジェネティクス解析を進展する予定である。また一部の解析結果については、論文公表できるデータが揃いつつあり、日米共同で研究成果の出版に向けて作業を進めていく予定である。
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