研究課題/領域番号 |
22KK0160
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
星野 孝総 高知工科大学, システム工学群, 准教授 (10351321)
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研究分担者 |
端野 典平 高知工科大学, 理工学群, 准教授 (10766520)
村井 亮介 高知工科大学, 地域連携機構, 助教(プロジェクト) (70773810)
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研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 降雨-流出(R-R)長期予測 / Cascaded‐ANFIS / 機械学習 / 水位AI予測モデル / ソフトコンピューティング / 深層機械学習 / 将来の洪水予測 / 湿地帯水位予測 / 洪水貯留地域 / 水力発電 / 発電量AI予想 / ダム貯水量・雨量・川流量・天気情報 / ドローン3D撮影 |
研究開始時の研究の概要 |
日本を含むアジア地域でのダム貯水量・雨量・河川流量のAI予測技術の確立に向けて,海外研究者と協力して研究を進める。アジア各国においてはエネルギー供給バランスの予測運用が重要で、社会のIT化に伴って電力需要が増加しており、供給バランスを見越した安定供給が課題となっている。一方、雨量の増加による洪水被害は日本や世界各地でも深刻な問題であり、世界各地の雨量を正確に予測できれば、人々の生活を守りながら安定的なエネルギーが受給でき、サステナブルな世界につながる。これは日本にとってもメリットが大きく、国際的な研究者と国際協力する意義がある。
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研究実績の概要 |
本研究は、アジア地域を含む日本のダム貯水量、雨量、河川流量のAI予測技術確立に向けて、国際的な研究協力を加速させている。最初に、海外の共同研究者との協力の下、スリランカとベトナムからの豊富な河川データを提供してもらった。これらのデータを基にして、日本の河川データと組み合わせ、AI予測システムの構築と予測シミュレーションを実施した。この段階では、異なる地域のデータを統合し、その予測精度を確認することが重要だった。次に、日本国内の河川域と雨量の実験データを利用して、AI予測システムを構築し、その性能を厳密に検証した。この過程で得られた成果を元に、スリランカとベトナムの過去のデータに基づいて予測実験を行い、その性能を比較した。これにより、地域ごとの差異や特性を考慮した予測モデルの改善が進められた。これらの成果を元に、地球温暖化と関連するデータとの関連性を評価し、海外の共同研究者との議論を行った。そして、対象の河川領域の地形データを空撮ドローンで詳細にスキャンし、分析した。この詳細な地形データと河川流量の動画像データを活用して、河川流量のAI予測システムを開発し、その精度を検証した。さらに、スリランカでの水害と電力に関する情報収集を行い、AI予測システムの追加や課題の明確化を行った。スリランカと日本の両地域の課題解決に向けて、新たな観測データや取得データを組み込み、AI予測の精度向上を図った。これらの成果と国内外の研究結果を総合し、AI予測技術の信頼性と実用性を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進捗は順調であり、これまでの成果は非常に重要なものとなっている。具体的に言えば、研究成果を7編の国際ジャーナル論文にまとめ、加えて国際カンファレンスで1件、国内研究会で2件の発表を行った。これらの論文や発表を通じて、世界中の専門家と交流し、彼らの貴重な意見やフィードバックを得ることができた。この交流は、本研究をさらに深化させるとともに、新たな視点やアイデアを提供することができた。また、研究の一環として、スリランカの河川流域を実地視察した。この視察では、貴重な水位データの収集だけでなく、現地の研究者との直接的な交流も行った。彼らの現地での知見や経験を聞くことで、本研究に新たな視点やアプローチを取り入れることができた。さらに、この交流の中から新たな課題が浮かび上がった。これらの課題は、本研究をより深く理解し、改善するための重要な手掛かりとなった。また、実験対象となる河川でのドローン撮影も行った。この撮影によって得られたデータは、衛星の画像データや地形、河川流量計測系のデータを詳細に把握するための貴重な情報源となった。さらに、これらのデータを活用して新たな予測AIを開発し、地形データや河川流量の予測精度を向上させた。このAIの開発によって、将来的には洪水や水害などのリスクをより正確に予測し、それに対する対策を立てることが可能になると期待されている。これらの成果は、本研究の価値を高めるだけでなく、社会に対する貢献も果たす。
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今後の研究の推進方策 |
ベトナムの河川域に足を運び、現地でのデータ収集を計画している。これにより、これまでの研究成果をより豊かにし、国際的な知見を深めることができる。また、論文の執筆も進め、これまでの研究成果を公表する予定である。さらに、衛星画像データを活用した河川流量の計測やAIによる流量予測の検証と改善を継続する。これにより、より正確な予測が可能となり、河川の管理や災害対策に役立つことが期待される。今年は研究プロジェクトの最終年度であり、共同研究者全員が一堂に会し、最終報告会を開催する予定である。この報告会では、研究の成果や課題をまとめ、今後の研究の方向性について議論することが予定されている。これにより、研究の成果を総括し、将来の研究計画を確立することができる。
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