研究課題/領域番号 |
22KK0180
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
|
研究機関 | 帝京大学 (2023) 名古屋市立大学 (2022) |
研究代表者 |
大澤 匡弘 帝京大学, 薬学部, 教授 (80369173)
|
研究分担者 |
Rebusi Romeo・Jr・Brioso 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 博士研究員 (30969689)
須永 圭紀 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 博士研究員 (40807640)
春田 牧人 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 准教授 (40733663)
太田 淳 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80304161)
|
研究期間 (年度) |
2022-10-07 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
20,150千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 4,650千円)
2026年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 慢性疼痛 / 蛍光イメージング / 機械学習 / 周期的脳活動 / クローズドループ制御 / Local Field Potential / 閉回路ループ / 大規模脳活動記録 / CMOSデバイス / 光遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、疼痛が慢性化する際に活動が変化する複数の脳領域が、どのように相互干渉し機能を変化させ慢性疼痛を発症するのか、その変化を正常化することで慢性化した痛みを緩和できるのかを明らかにする。「複数の脳領域間の神経ネットワーク接続の変化が慢性疼痛の原因である」と仮定し検証を行う。本研究成果より、疼痛のバイオマーカーの提唱や最良のタイミングで介入可能な医療デバイスの提案ができると期待される。
|
研究実績の概要 |
神経障害性モデルマウスの脳活動記録は、記録できる期間を長期化するため、いくつかの改良を行ったものの、2ヶ月程度の記録を行うことができなかった。現在、脳活動計測方法の改良を行っている。また、先行研究で記録が完了しいる神経障害性モデルラットの大規模脳活動記録の結果の解析を継続して行ったところ、前帯状回皮質における脳活動が、神経障害性疼痛の持続期間に依存して変化し、特に、高周波数の脳活動が著しく上昇することを見出した。昨年度の結果を加味すると、神経障害性疼痛の継続により前帯状回皮質の活動変化が側坐核などの活動変化に関連していることが示唆できた。つに、CMOSセンサーを搭載した針型イメージングデバイスについては、側坐核領域に、ドパミンセンサーであるdLight1.2を発現させて、蛍光強度の変化を計測することができ、さらに、モルヒネおよびコカインを処置することで、ドパミン遊離のリアルタイム計測を行うことができた。特に、モルヒネと比較して、コカインではドパミン量の上昇が一過性に見られることを明らかにすることができ、モルヒネは、比較的長時間にわたりドパミン量を上昇させることを明らかにすることができた。また、海外共同研究先であるヒューストン大学のAkay教授の研究室で、CMOSセンサーによる蛍光計測を行うため、奈良先端科学技術大学院大学の太田教授が開発したデバイス(CIS-OS)を設置し、針型CMOSセンサーを用いて、側坐核におけるドパミン遊離量をGRAB_DA1mを用いて計測できる条件を設定した。また、アデノ随伴ウイルスベクターを用いて、側坐核への遺伝子発現を可能にする脳内微量注入法などの技術提供を行った。さらに、Akay研究室の所属学生を日本の研究室で受け入れ、CMOSセンサーを用いたドパミン遊離の測定の技術指導も行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
疼痛の慢性度を判別する脳動態パターンとして、前帯状回皮質の高周波における脳活動を抽出することができた。また、CMOSイメージングデバイスを用いたカルシウムイメージングでは、側坐核におけるドパミン遊離について、論文として発表をすることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
マウスにおける長期的な大規模脳活動記録を達成するため、記録するための条件検討を続け、マウスにおいても2ヶ月以上の脳活動記録ができるように条件設定を行う。また、マウスの記録で得られた結果について、ラットで行った解析と同様に、解析を行い、疼痛の慢性度を反映できる脳活動をマウスからも抽出する。疼痛慢性化の原因となる脳活動へのクローズドループ制御による調節ではオプトジェネティクスを行う必要があるため、チャネルロドプシンやハロロドプシンをアデノ随伴ウィルスベクター(AAV)を用いて、遺伝子導入を実施する。また、小型動物の脳深部を光刺激するマイクロLEDデバイスを開発に着手する。
|