基課題は、スウェーデンのノーベル文学賞作家ラーゲルレーヴ(1858-1940)を中心に、ファシズム期の日独交流を通じた北欧受容を考察する。明治・大正・昭和前期に導入されたドイツの思想・文化には、ナチズムの根拠となった「郷土芸術」「血と土」思想が含まれる。ゲルマン民族主義において理想化された北欧に着目し、北欧文学・ドイツ文学と日本近代の思想・文化の交流を批判的に考察する。 国際共同研究では、日本で得た成果を海外に発信する。明治・大正・昭和前期の日本人が海外から受けた影響のみならず、同時期の日本人の海外における受容に研究範囲を広げ、北欧およびドイツの研究者と協働してラーゲルレーヴ研究の充実を図る。
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