研究課題/領域番号 |
22KK0195
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
篠原 靖明 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (10732737)
|
研究期間 (年度) |
2023 – 2025
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
|
キーワード | 音素 / 異音 / 知覚 / 事象関連電位 (ERP) / ミスマッチ陰性電位(MMN) / 音声知覚 / 脳波計 (EEG) / ミスマッチ陰性電位 (MMN) |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトがそれぞれの言語音を知覚し、単語を認識する過程において、脳がどのように処理を行っているのか、これまでの研究で明らかにされていないことが多く存在している。本研究では、同一音素内で使用頻度の異なる音声を用いて、それら音声を知覚している際の脳波にどのような差が得られるのか、分析する。その中で、脳が音声を統計的に処理している可能性を検証する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、子音や母音などの「音素」と同一音素の中でも異なる音声「異音」が脳によってどのように処理されているのか解明するため、音素と異音の変化を知覚した際の脳波を分析している。特定の英語の子音は、方言(アクセント)や単語内の音声配列環境に応じて、別の異音で発音されることが多い。そのため研究代表者は本研究を国際共同研究とし、英語子音の異音の使用頻度に応じて脳波がどのように変化するのか、調査を行っている。 研究代表者は、本課題初年度にあたる2023年度に渡米し、共同研究者の下で音声学、音韻論、認知神経科学の観点から言語音の知覚に関する研究を行った。共同研究者と本研究に関する打ち合わせを重ねる中で実験方法を検討し、まずは実験に必要な刺激音を作成した。次に、予備実験を実施することで、それらの刺激音が英語話者によってどのように認識されるのか、分析を行った。予備実験結果を基に実験方法を再考した後、我々は行動評価実験をアメリカ(ニューヨーク)にて開始した。現在もデータ収集と分析を同時に行いながら、脳波計測実験開始に向けた準備を行っている。 本年度(2023年度)は、本研究に関連する実験の研究発表や論文執筆を進める中で、本研究の実験デザインと分析方法の特定に時間を費やした。国際学会への出席やアメリカ国内の大学内にて発表を行うことで、共同研究者のみならず他の研究者からの意見を求めた。来年度以降は、現在行っているデータ収集を継続して遂行し、分析結果を国際学会において発表することを予定している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者は2023年度に在外研究期間を取得しているため、研究活動に集中できる環境の中で本研究を遂行している。学会発表や論文執筆にも時間を費やしながら、先行研究整理や実験デザインの検討、分析方法の特定を同時に進めた。本年度(2023年度)は行動実験を実施し、そのデータ分析を行いながら、脳波計測実験開始に向けた準備も行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
本課題開始後二年目にあたる2024年度には、研究代表者は日本へ帰国する予定である。共同研究者のみならず、訪問研究先(The Graduate Center, City University of New York)の博士課程に所属する学生の協力も得ることで、代表者が帰国後も引き続きデータ収集を継続する。また、ニューヨークにおいて他方言の英語話者のデータ収集が困難になった場合は、研究代表者がその方言話者のデータを収集しやすい場所へ短期で渡航することも検討している。
|