明確な理由なく長期に渡り授業を欠席する「大学生の不登校」が我が国の高等教育機関において問題視されるようになって久しいが、それは大学、広くは我が国特有の社会のシステムとの関連の中で生じる現象であるため、これまで国際的な議論の俎上に載せることが難しいとされてきた。本研究では大学生の不登校について、欧米圏では長い研究の歴史をもつ「先延ばし」という行動特徴に着目して捉え直すことを試みる。大学生の先延ばし行動の傾向とそれに関連する心理特性について日本と米国の大学生を対象とした文化間比較研究を実施することによって、国際的な視野から大学生の不登校を理解するための端緒を開く。
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