研究課題/領域番号 |
22KK0216
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
杉山 悦子 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (20313059)
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研究期間 (年度) |
2023 – 2025
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
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キーワード | デジタル資産 / 電子証拠 / 民事裁判のIT化 / 民事訴訟のIT化 / 倒産手続 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、電子化、国際化する民事訴訟手続や民事執行、倒産手続自体におけるデジタル資産や証拠の取扱いと規律について、イギリスの制度をその背景から分析をして日本法との比較分析をすることを通じて、さらには国際的な協調に向けた取組みを参考にしながら考察を行い、日本国内及び国際的な民事手続法におけるこれらの位置づけや規律について、立法論および解釈論的な示唆を得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度においては、2024年度9月より開始するイギリスのケンブリッジ大学での国際共同研究の準備のための作業を開始した。まずは、日本国内における、様々な民事紛争解決手続のデジタル化の現状と課題について、法改正の進捗状況、法実務の運用状況を調査しながら整理をした。特に2022年に改正された民事訴訟法におけるデジタル証拠についての規律について、従来の規律や解釈論と比較しながらその意義を明らかにした。また、2023年度に改正されたその他の様々な民事訴訟手続におけるデジタル財などの取扱いについても、その現状や理論的な分析を示す資料の調査や収集作業に着手した。 さらに、様々な民事訴訟手続におけるデジタル財の位置づけ、国内及び国外でのデジタル財の追跡のための様々なツールとそれに対する国際的な規制のあり方、倒産手続におけるデジタル財の取扱いについて、国際連合国際商取引法委員会(UNCITRAL)や私法統一国際協会(UNIDROIT)における議論の進捗状況について、インターネットを通じての調査を開始した。 また、ケンブリッジ大学における共同研究者との間で、日本及びイギリスにおける民事紛争解決手続のIT化やデジタル財をめぐる現状と課題について意見交換等をするとともに、受け入れのための手続を行った。それに加えて、共同研究者の過去および近時の研究関心テーマを整理し、裁判外紛争処理手続を含めた様々な民事紛争解決手続のデジタル化や、それらの手続における人工知能の利用などについての近時の研究成果の分析作業を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年度の渡英に向けて、受け入れ機関や所属機関との調整を完了し、かつ、共同研究者とも調整を行い、研究に必要な資料の収集作業や下調べに着手することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の前半は、9月の渡英に向けた準備作業を行い、日本国内の様々な民事裁判手続におけるデジタル財の取扱いについて文献調査、収集作業を集中的に行う。渡英後は、イギリスやヨーロッパ諸国におけるデジタル財の取扱いについて、実態調査、文献調査をしたり、国際機関における議論状況を把握する等、共同研究者と共に研究を進める。
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