心的視点取得とは,相手の立場に立って相手の気持ちを考えることであり,その社会的重要性が叫ばれてきた。しかし,心的視点取得時に人が頭の中で何をしているのかという,そのプロセスや構成要素が未解明であったため,その効果的な促進方法が開発されなかった。そこで基課題は,健常群を対象とし,心的視点取得過程の構成要素の解明と,構成要素への介入による促進方法の開発を行なってきた。ただし,心的視点取得の不得手さゆえに社会不適応に陥りやすいのは,臨床群である。本国際共同研究では,認知障害の克服テクニックの開発に力を注いできたDr.Rossetti氏と共同することで,臨床群に有効な心的視点取得促進方法を開発する。
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