研究課題/領域番号 |
22KK0255
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
谷口 武士 鳥取大学, 国際乾燥地研究教育機構, 准教授 (10524275)
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研究期間 (年度) |
2023 – 2025
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 根部内生微生物 / 根圏土壌 / 13CO2パルスラベリング / 乾燥地 / 砂漠植物 / 微生物群集 / 安定同位体プロービング法 / 内生微生物 / メタゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
土壌微生物の利用は、持続的な農業生産や環境保全に対応する次世代型技術の切り札として注目されているが、野外で好ましい微生物を維持管理することが難しく、微生物を用いた技術はその真価を発揮できていないのが現状である。 本研究では、外的要因から安定した環境である根内と根圏に棲む微生物の相互作用を明らかにするとともに、これを植物の成長や土壌形成と関連付けて理解することで、革新的な植物・土壌プロバイオティクス技術につなげることを目指している。この目標に向けて、①乾燥地における植物-微生物-土壌三者間相互作用の理解、②内生微生物制御による植物の成長・ストレス耐性と土壌形成の促進に関する研究を実施する。
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研究実績の概要 |
本研究では、乾燥地における植物-微生物-土壌三間相互作用を活動的な微生物の分布とその生態系機能から理解することを目指す。この目的を達成するため、本研究では、アメリカのコロラド砂漠に位置する調査サイトでパッチ状に分布するキク科の灌木、Encelia farinosaを対象として、2つの実験を予定している。実験①については、野外で生育するE. farinosaの13CO2によるパルスラベリングを行い、光合成した炭素化合物がどのような根の微生物に利用され、土壌微生物と土壌に移動・蓄積していくのかを砂漠で明らかにする。実験②については、E. farinosaの根から内生菌と内生細菌を分離培養し、E. farinosaに無菌的に接種し、内生微生物と土壌形成との関係を調べる。 本年度は、2月にカリフォルニア大学リバーサイド校、そして調査地のBoyd Deep Canyon Desert Research Centerを訪問し、共同研究者、および研究センター長と研究に関する打ち合わせを行った。 また、実験①については、調査地で対象とする植物個体の選定を行うとともに、根圏土壌の採取と土壌団粒のサンプリングにかかる予備実験を行った。ここで得られた情報をもとに、受入研究者との相談を踏まえて、具体的なサンプリングについて検討する。また、国内では、植物の13CO2パルスラベリングに必要なばく露チャンバーの作成を行った。本装置の作成は、研究協力者の今田省吾博士、そして鳥取大学工学部ものづくり教育実践センターの協力のもとに行った。 実験②については、内生微生物の分離培養を本年度2月の滞在時に行う予定であった。しかしながら、アメリカ・カリフォルニアへの長期滞在に係る費用高騰が予想されたため、滞在期間を当初予定よりも短く設定し、微生物の分離培養は次年度の長期滞在時に行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
長期滞在前の2月に現地を訪問し、対面で研究内容の説明を共同研究者、そして実際の調査サイトの管理責任者に説明し、許可を得ることができた。また、13CO2によるばく露チャンバーは本研究の遂行で最も重要な装置になるが、この作成を研究経験のある共同研究者とともに、ものづくりのプロである鳥取大学工学部の支援のもとに行うことができたことは大きな進展であった。ただ、予算の関係上、長期滞在以外の出張が制限され、予定していた微生物の分離培養を本年度は実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、アメリカにおける実験装置の設置とサンプリング、そして遺伝子と土壌の分析が必要となる。これらの実験を推進するにあたり、必要な研究用品を現地で入手できるかが海外研究では非常に重要である。共同研究者との協議の結果、共同研究者のプロジェクト研究で使用している研究用品の使用は問題ないが、その範囲外のものは準備が難しいということであった。日本で購入した試薬等の輸送は近年、制限が厳しいため、現在、カリフォルニア大学に本経費の一部を業務委託という形で移動し、必要な試薬等を購入できないか検討を進めている。 また、円安とカリフォルニア州の物価上昇に伴って、当初予定よりも予算が逼迫している。予定していた長期滞在後の出張を削るとともに、本研究費以外の利用可能な経費からの補填を予定している。しかしながら、それでも予算が不足する場合には、研究計画を絞り、最も研究成果として価値がある部分に集中して研究を実施する。
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