研究課題/領域番号 |
22KK0258
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中西 三春 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40502315)
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研究期間 (年度) |
2023 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
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キーワード | アドバンス・ケア・プランニング / 認知症 / 緩和ケア / 家族支援 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を広く普及するため、オランダ・ライデン大学公衆衛生・プライマリケア分野(LUMC-PHEG)van der Steen准教授が議長を務める欧州緩和ケア学会タスクフォースの一員となり、国際ガイドラインをデルファイ法で策定する。 日本の文化的背景に考慮した指針改訂を行うため、家族支援に関する質的データの解析や、オランダ在住オランダ人と日本人の家族介護者に聞き取り調査を実施し、日本在住の家族介護者の結果と比較検証する。 国際シンポジウムにオランダ周辺国の代表的な研究者を招へいし、ネットワーク構築を進める。 帰国後に諸外国の日本人家族介護者にウェブ調査を行う。
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研究実績の概要 |
オランダのライデン大学医学部において、欧州緩和ケア学会タスクフォースとしてDr. van der Steen(ライデン大学医学部)、Dr. Ida Korfage(エラスムス・ロッテルダム大学医学部)、Dr. Lieve Van den Block(ブリュッセル自由大学)、Dr. Sandra Martins Pereira(カトーリカ・ポルトゥゲーザ大学)らとともに、デルファイ法で収集した33か国107名の専門家パネルの意見を集約・分析し、認知症アドバンス・ケア・プランニングの家族支援を含めたガイドラインを策定した。またライデン大学以外の場所において、課題に関連した共同研究者らと以下の研究活動を実施した。 2023年6月にベルギーのブリュッセル自由大学で、Dr. Lieve Van den Block、Dr. Lara Pivodicらが指導する博士課程学生を対象に、認知症アドバンス・ケア・プランニングに関する研究セミナーを行った。またルクセンブルクのルクセンブルク大学で、Dr. Anja Leistが指導する博士課程生およびアルツハイマー病協会の研究協力者を対象に、認知症の終末期ケアに関する研究討議を行った。 2023年7月にオランダのラドバウド大学で、Dr. van der Steenが指導する博士課程学生および研究協力者と、ラドバウド大学・ライデン大学の合同で認知症緩和ケアの討論を実施した。 2024年3月にカトーリカ・ポルトゥゲーザ大学において、Dr. Sandra Martins Pereiraとともに研究成果について普及啓発する公開セミナーを開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本・オランダで実施した認知症の人と家族介護者を対象としたアドバンス・ケア・プランニング(ACP)に関するインタビュー調査のデータ解析に着手したが、研究協力者の中にイスラエル出身の者がおり、ガザ地区の問題をはじめとする政情不安によりインタビューの進行が困難な状況となった。国際ガイドラインに基づく認知症ACPのプログラムを策定するにあたっては、二国間のみならず制度・文化的な背景が多様な多国間の協働でインタビューのデータ解析を進めることが必須と考えられ、イスラエルの研究体制の再構築を待つこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
ライデン大学医学部が保管するインタビュー調査の記録に日本からリモートでセキュアにアクセスできる環境を確立し、帰国後も継続して認知症の人・家族介護者の語りの質的データ解析を進める。アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の実装に係る促進要因と阻害要因について、国の制度や文化的背景による差異を明らかにして、基課題における実践プログラムならびに普及啓発プログラムの開発へフィードバックする。また国際提言の策定における共同研究者らと協働し、家族介護者を対象としたオンライン調査を実施して、認知症におけるACPの話し合いに対する不安のベースライン評価を得る。このベースライン評価は基課題のプログラムの効果検証において参考データとして用いる。
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