慢性腎臓病が末期腎不全へ至るには糸球体硬化の進展が重要であり、その病態形成には糸球体ポドサイト(Pod)の障害と糸球体基底膜からの剥離が起点となる。galectin-8(gal8)はPodの基底膜への接着に重要なintegrinα6β1のリガンドであり、これまでの検討から蛋白尿を呈する様々な糸球体疾患においてgal8がPodのみならず糸球体内皮細胞(EnC)において発現していることを見出した。EnCの障害はPod障害に繋がることから、本研究は糸球体内皮細胞におけるgal8の役割を解明することにより糸球体硬化の新規進展機序を明らかにし、腎不全進展抑制のための治療法の開発に資することを目的とする。
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