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シングルセル解析を用いた口腔腫瘍間質由来破骨細胞形成因子(SODF)の同定

研究課題

研究課題/領域番号 22KK0262
研究種目

国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))

配分区分基金
審査区分 小区分57020:病態系口腔科学関連
研究機関九州大学

研究代表者

藤井 慎介  九州大学, 歯学研究院, 講師 (60452786)

研究期間 (年度) 2023 – 2025
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
キーワードRANKL / 顎骨破壊 / 口腔腫瘍
研究開始時の研究の概要

口腔腫瘍では、顎骨への腫瘍細胞浸潤と広範な顎骨破壊を伴う場合が多い。顎骨破壊は臨床的にも最も重要な因子と考えられ、顎骨破壊に関与する口腔腫瘍による破骨細胞分化誘導の分子基盤の解明が待望されている。研究代表者らは低分子量Gタンパク質ARL4Cの腫瘍形成における増殖等の機能を解析してきた。また、口腔腫瘍におけるARL4Cの発現が腫瘍組織と接する間質細胞の破骨細胞活性化因子(RANKL)の発現を誘導して破骨細胞形成を促進することを見出した。本研究では口腔腫瘍顎骨破壊モデルマウスを作出し、病変部間質細胞におけるRANKLの発現を制御する間質由来破骨細胞形成因子(SODF)の同定を目的とする。

研究実績の概要

口腔腫瘍では、顎骨への腫瘍細胞浸潤と広範な顎骨破壊を伴う場合が多い。顎骨破壊は臨床的にも最も重要な因子と考えられ、顎骨破壊に関与する口腔腫瘍による破骨細胞分化誘導の分子基盤の解明が待望されている。本研究では口腔腫瘍顎骨破壊モデルマウスを作出し、病変部間質細胞におけるRANKLの発現を制御する間質由来破骨細胞形成因子(SODF)の同定を目的とする。
口腔腫瘍細胞(良性腫瘍由来細胞株および悪性腫瘍由来細胞株)の培養上清を回収し、マウス間質細胞株にその培養上清を添加し、RANKLの発現に与える影響について検討した。口腔腫瘍細胞培養上清依存的にマウス間質細胞株におけるRANKL発現量が上昇した。また、悪性腫瘍由来細胞株において、このRANKL発現量上昇は癌関連遺伝子の低分子量Gタンパク質ARL4Cに依存していた。そこで、このARL4CをshRNAを用いて恒常的に発現抑制した細胞株由来の培養上清、コントール細胞株由来の培養上清にて刺激したマウス間質細胞株からmRNAを抽出し、RNA-sequence解析を行った。2023年11月よりフィンランド共和国Turku大学Institute of BiomedicineのKari J. Kurppa博士が主宰する研究室を訪問し、その解析結果について検討した。ARL4Cに依存してRANKL発現を誘導する候補として21個の遺伝子、ARL4Cに依存せずRANKL発現を誘導する候補として298個の遺伝子を単離した。これらの因子のRANKL発現に与える影響についてsiRNAを用いて検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

口腔腫瘍細胞(良性腫瘍由来細胞株および悪性腫瘍由来細胞株)の培養上清を回収し、マウス間質細胞株にその培養上清を添加し、RANKLの発現に与える影響について検討した。口腔腫瘍細胞培養上清依存的にマウス間質細胞株におけるRANKL発現量が上昇した。また、悪性腫瘍由来細胞株において、このRANKL発現量上昇は癌関連遺伝子の低分子量Gタンパク質ARL4Cに依存していた。そこで、このARL4CをshRNAを用いて恒常的に発現抑制した細胞株由来の培養上清、コントール細胞株由来の培養上清にて刺激したマウス間質細胞株からmRNAを抽出し、RNA-sequence解析を行った。2023年11月よりフィンランド共和国Turku大学Institute of BiomedicineのKari J. Kurppa博士が主宰する研究室を訪問し、その解析結果について検討した。ARL4Cに依存してRANKL発現を誘導する候補として21個の遺伝子、ARL4Cに依存せずRANKL発現を誘導する候補として298個の遺伝子を単離することができた。これらの因子のRANKL発現に与える影響についてsiRNAを用いて検討している。

今後の研究の推進方策

RNA-sequence解析の結果単離した候補因子のRANKL発現に与える影響についてsiRNAを用いて検討することを計画している。また、これらの候補因子の発現を制御するシグナル伝達を公共の検索ツールを用いて予測し、口腔腫瘍細胞(良性腫瘍由来細胞株および悪性腫瘍由来細胞株)の培養上清に含まれるRNAKLの発現を制御するシグナル伝達を明らかにする。そして、それらのシグナル伝達の特異的阻害剤を用いて、シグナル伝達がRANKLの発現制御に与える影響について解析する。即ち、病変部間質細胞におけるRANKLの発現を制御する間質由来破骨細胞形成因子(SODF)の同定とそのSODFの発現または活性化を制御するシグナル伝達を解明することを計画している。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The IL‐1β‐p65 axis stimulates quiescent odontogenic epithelial cell rests via TGF‐β signalling to promote cell proliferation of the lining epithelia in radicular cysts: A laboratory investigation2024

    • 著者名/発表者名
      Nagano Ryoko、Nakako Yusuke、Fujii Shinsuke、Kawano Shintaro、Maeda Hidefumi、Kiyoshima Tamotsu
    • 雑誌名

      International Endodontic Journal

      巻: 57 号: 3 ページ: 344-354

    • DOI

      10.1111/iej.14016

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Wnt/β-catenin-C-kit axis may play a role in adenoid cystic carcinoma prognostication2024

    • 著者名/発表者名
      Fujii Shinsuke、Hasegawa Kana、Maehara Takashi、Kurppa Kari J.、Heikinheimo Kristiina、Warner Kristy A.、Maruyama Satoshi、Tajiri Yudai、Nor Jacques E.、Tanuma Jun-ichi、Kawano Shintaro、Kiyoshima Tamotsu
    • 雑誌名

      Pathology - Research and Practice

      巻: 254 ページ: 155148-155148

    • DOI

      10.1016/j.prp.2024.155148

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Arl4c is involved in tooth germ development through osteoblastic/ameloblastic differentiation2023

    • 著者名/発表者名
      Truong Thinh Thi Kim、Fujii Shinsuke、Nagano Ryoko、Hasegawa Kana、Kokura Megumi、Chiba Yuta、Yoshizaki Keigo、Fukumoto Satoshi、Kiyoshima Tamotsu
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 679 ページ: 167-174

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2023.09.014

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Abnormality of Signal Network in Oral Tumor2023

    • 著者名/発表者名
      Shinsuke Fujii
    • 学会等名
      IAOP 2023, 21st International Congress of Oral Pathology and Medicine
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 口腔顎顔面病態病理学分野(九州大学

    • URL

      http://www.dent.kyushu-u.ac.jp/about/field/field4/field4_01/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-02-01   更新日: 2024-12-25  

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