進行・再発卵巣がんは予後不良であり、新たな治療戦略の開発が必要である。近年、卵巣がんに対する免疫療法の臨床試験により、有効性が非常に期待できる群が存在することが示されている。基課題では、卵巣明細胞がんに着目し、 ヒト臨床サンプルやデータの解析と、マウスモデルを用いた生体内での免疫応答の研究を進めていたが、 その過程で卵巣がんの病理組織型ごとの腫瘍免疫の相違、および免疫チェックポイント経路であるPVRL2/PVRIG経路やPVR/TIGIT経路の発現を見出した。本研究では、これらの経路が卵巣がんに対する免疫療法の新たな標的となる可能性を探索し、個別化した臨床応用を目指すことを目的とする。
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