胎盤を形成する絨毛外栄養膜細胞(EVT)は父親由来抗原を発現し、母体の免疫細胞と直接接触するが、免疫寛容が誘導されるため拒絶されない。母体のCD4陽性Tヘルパー細胞(CD4+Tconv)は拒絶に働くが、制御性T細胞(Treg)はそれを抑制する。我々は、妊娠高血圧腎症(PE)の発症に、Tregの系列的安定性の喪失が関わることを示唆するデータを得た。そこで、1)子宮内膜Tregの系列的安定性に関わるエピゲノム変化、2)Tconvの分化に関わる補助刺激を明らかにし、1)、2)をもとに選定した免疫作動薬の有効性を患者由来EVT cell lineとCD4+Tconvとの共培養系で評価することとした。
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