研究課題/領域番号 |
22KK0291
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大内 亜由美 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80645664)
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研究期間 (年度) |
2023 – 2025
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
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キーワード | 網膜3次元培養 / マイクログリア / 神経血管グリアユニット / 糖尿病網膜症 / 網膜オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
私たちが開発したヒトiPS細胞由来網膜オルガノイドとヒトiPS細胞由来マイクログリアの共培養による革新的3次元モデルを、様々な網膜疾患の病的環境下におけるマイクログリアの機能や活性メカニズムを理解するための疾患モデルを樹立する。それらの様々な病的環境下における、マイクログリアの関与とその特性や活性メカニズム、およびグリア・ニューロン相関による網膜ニューロンへの影響について解析し、さらにその病態モデルを用いて、マイクログリアの活性制御をターゲットとした創薬スクリーニングを行い、グリア・ニューロン相関の観点から、病態進行抑制への影響について解析を行うことに挑戦する。
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研究実績の概要 |
昨年われわれが確立したヒトiPS細胞由来網膜オルガノイドとヒトiPS細胞由来マイクログリア前駆細胞を共培養し作成した新規共培養モデルを用いて、培養条件 に様々な刺激を加えることで、糖尿病網膜症環境を模倣し、シングルRNAシークエンシング解析を行うことで、糖尿病網膜症環境におけるマイクログリアと ニューロンの相関を解析した。 まず、HIF-PH阻害剤であるDimethyloxalylglycine (DMOG)を培養液に添加し、マイクログリアを含むオルガノイドと含まないオルガノイドでの虚血網膜環境にお けるマイクログリア・神経相関を検討した。その結果、マイクログリアが共培養されている網膜オルガノイドとマイクログリアを含まない網膜オルガノイドでは 網膜ニューロンにおける病態にかかわる様々な遺伝子の発現に差があることが明らかとなり、それらがマイクログリアの極性変化をトリガーとした神経障害、保護作用に関与する重要な因子であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に計画していた実験を概ね遂行でき、結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
シングル細胞RNAシークエンシング解析の結果から、糖尿病網膜症環境におけるマイクログリアとニューロンの相関に関してバイオインフォマティクスを用いて 解析し、糖尿病網膜症の病態に大きく影響する神経グリアユニットの機序解明、および神経保護、または障害に働くマイクログリアの極性分子に関して治療ター ゲットとして応用を目指し、ドラッグスクリーニングを進める。
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