研究課題/領域番号 |
23244094
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川辺 正樹 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (40143549)
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研究分担者 |
藤尾 伸三 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (00242173)
柳本 大吾 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (40260517)
日比谷 紀之 東京大学, 理学系研究科, 教授 (80192714)
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研究期間 (年度) |
2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
33,020千円 (直接経費: 25,400千円、間接経費: 7,620千円)
2011年度: 33,020千円 (直接経費: 25,400千円、間接経費: 7,620千円)
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キーワード | 海洋物理 / 海洋大循環 / 南北オーバーターン循環 / 海洋観測 / 深層循環 / 鉛直乱流拡散係数 |
研究概要 |
白鳳丸KH-11-8次研究航海を、2011年8月12日~10月4日の日程で実施し、北東太平洋の海洋観測を行った。航海に先立って、新規に購入した測器の設定等を行った後、西軽145度に7系の深海係留系を設置し、計38台の流速計、14台のCTD、1台の蛍光センサーによる連続測定を開始した。系は平成24年10月に回収予定であり、これにより、1年強の時系列データが取得できる見込みである。また、船舶搭載のCTD採水器による海底までの測定を3本の測線により計69点で実施し、水温・塩分・溶存酸素・栄養塩および降下式ADCPによる流速の測定を行った。さらに、そのうちの1点では鉛直乱流拡散係数を推定するため、超深海乱流計VMP5500を用いて、海面から海底までの乱流散逸率の鉛直分布を観測した。 取得したデータでは、ケイ酸塩の濃度が北東域で高く.西経145度南北測線において北緯41度付近の2000m以深に顕著なケイ酸塩のフロントが見られた。この観測結果は、ここにあるメンドシノ断裂帯がハワイの南を通った南方経路深層水とアリューシャン海溝を通った北方経路深膚水の分かれ目であり、その北方経路は水塊の変質を強く受けた水であることを示唆するもので想定していた深層循環像の有効性を示す重要な成果である。 この他、水塊の変質を定量的に評価する際に重要となる鉛直乱流拡散係数について、超深海乱流計による推定、降下式ADCPによる推定、移流拡散バランスによる推定という、3種類の見積もりの比較検討を通じて、その正確な定量化の作業を進めるとともに、深層循環の定量的理解に向けて平成24年度に予定している係留系回収や追加の超深海乱流観測の準備作業を行った。
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