配分額 *注記 |
14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2012年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2011年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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研究概要 |
将来の高比速度ポンプとして期待される二重反転形軸流ポンプの可変速設計による幅広い流量域での安定高効率・省エネ運転の実現を最終目標に,本年度は,(1)現有する2種の後段動翼の内部流れ計測,(2)後段動翼の異回転数設計・製作,(3)変速制御による高効率運転とその性能予測法の構築を実施した.以下に結果を述べる. (1)後段動翼の内部流れ計測 現有する2種の後段動翼(高食違い角・高弦節比・3枚翼と低食違い角・低弦節比・5枚翼)の設計回転数・変速運転時の内部流れをレーザードップラー流速計および5孔プローブにより計測した. (2)後段動翼の異回転数設計・製作 (1)で確認された前段動翼出口(後段動翼入口)流れの翼端側の速度欠損をモデル化し,高比速度化において重要なキャビテーション性能の向上を目的に,後段動翼の低回転数化,正の小衝突角化,低食違い角化を考慮した翼素設計を複数実施した.その妥当性を数値流体力学解析により検証し,薄長翼を採用した動翼が揚水性能,効率の両面で好適であることを確認した.この結果を基に,新規後段動翼の製作を次年度より前倒しして実施した. (3)変速制御による高効率運転とその性能予測法の構築 幅広い流量域での変速制御の有用性を明らかにすることを目的に,設計回転数時における各動翼性能から変速制御運転時の性能を予測することを試みた.前段動翼の性能は既知の回転数に対する相似則が成立するが,後段動翼の性能は前段動翼出口流れに依存するため同様の相似則が成立しないので,前段動翼の性能予測を性能の相似則から,後段動翼の性能予測を代表回転流面における動翼前後の速度三角形から予測する手法を考案した.性能計測結果との比較により,提案手法の予測精度は定性的には良好であるが特に後段動翼について定量的差異が大きいことが判明したので,実際の内部流れとの比較から今後の改善の可能性を検討した.
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