研究課題/領域番号 |
23360329
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
■木 研一 (高木 研一) 東京都市大学, 付置研究所, 教授 (40449286)
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研究分担者 |
桃沢 愛 東京都市大学, 工学部, 講師 (70575597)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2013年度)
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配分額 *注記 |
19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
2013年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2012年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2011年度: 16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
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キーワード | 硼化物 / 反応制御 / 硬質耐摩耗材料 / 脱タングステン / 省資源 |
研究概要 |
23年度は、既存設備と反応焼結法や硼化物等の硬質材料に関するKnow-Howを生かし、Mo2NiB2系サーメットをベースに、硼化物相のB量の増加による硬度の上昇、Cr添加による強度の向上を目指し、その結果、硬度90HRA、抗折力約2GPaが得られたが、さらなる硬度、航折力の向上が必要である. さらにMo2NiB2三元硼化物に関しては、Cr添加量を変化させた三元硼化物単体の焼結体を作成し、硬度やヤンゲ率等の機械的、物理的特性および焼結性の調査を行った。その結果、10および15mass%のCrを含有するMo2NiB2三元硼化物単体の硬度は2000Hv以上、ヤング率は400GGPa以上の値が得られ、これらの値は代表的な硬質材料であるWCやTiCと同等の値であり、硬質材料として十分な特性を有することを確認した。 TiB2系サーメットの開発においては、熱分析や組織調査によりCr,MoおよびW添加による特性改善を目指した。組織的には良好な組織が、硬度も92HRAと高い値が得られたが、気孔等が残留し抗折力の向上はわずかであった。さらにTiB2-TiC系サーメットの開発においても,Ni結合相のCoによる置換を試みた。Co置換によりある程度形成液相の濡れ性改善効果が認められ高硬度は得られたが、TiB2系サーメット同様気孔等が残留し強度の向上はわずかであった。 さらに硼化物系多元状態図や文献調査により、他の硼化物や添加元素の複合化方法および複硼化物相の結晶構造を検討し、WC以上の硬度を有するTiB2を中心とする高硬度多元系硼化物椙の形成の可能性を模索した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
真空炉は、他の実験機器に比較し使用電力が大きく夏場に使用を控えたため、十分な実験量が確保できなかった。 また反応制御焼結装置の購入に当たり、金額が本年度支給額の7割以上であったため、全支給額の給付が決定するまで発注を控えた。その結果、装置の納入が年末になり、それまで既存の真空焼結炉を使用し実験を行ったが、炉内寸法が小さく一度に焼結可能なサンプル数が限られたため予定した実験量か確保できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
前年度で検討したMo2NiB2系三元硼化物系サーメットをベースに、添加元素及び焼結反応性の検討によりさらなる高硬度化、高強度化を目指す。新しい高硬度多元硼化物相を検討し、導入した反応制御焼結装置を用い、結晶構造制御や組織調査により特性評価を行う。試作したTiB2を主体とする高硬度多元硬質相を利用したサーメットに関しては、反応硼化プロセスを熱分析や組織調査により検討し、硬質相と金属結合相の整合性や焼結性、並びに機械的特性の更なる改善を目指す。あわせて炭化物と硼化物の複合化による、新規な高硬度硬質相の創成の可能性についても検討を行う。
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