研究課題/領域番号 |
23370027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態・構造
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山下 正兼 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30202378)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2013年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2013年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2012年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2011年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 翻訳制御 / ゼブラフィッシュ / 微小繊維 / 卵母細胞 / サイクリンB1 / 減数分裂 / サイクリンB1 |
研究概要 |
本研究では翻訳の部位と時期をリアルタイムで検出できるトランスジェニックゼブラフィッシュを用い、卵成熟過程におけるサイクリンB1 mRNAの部位及び時期特異的翻訳制御機構を解析した。 1、部位及び時期特異的翻訳に関わる新規蛋白質の同定: サイクリンB1 mRNA凝集体に存在するIMP3、DDX6、ELAV-like 1、Zar1及び抗Pumilio抗体免疫共沈降に存在するHSP90βとPiwi-like 1のcDNAをクローニングし、サイクリンB1 mRNAとの結合をUVクロスリンク法で調べた。その結果、IMP3、ELAV-like 1、Zar1が結合することが判り、これらがサイクリンB1 mRNAの翻訳制御に関わる分子であることが示唆された。 2、翻訳制御に関わるORFのシス配列とトランス因子の同定: 前年度の研究で、ORFの524から736番目の塩基中にmRNAの局在及び翻訳制御を担う配列が存在する事を示す結果が得られた。本年度はシス配列の同定を進め、9塩基からなる配列の同定に成功した。この配列に変異を持つレポーターmRNAは凝集体を形成して動物極に局在ず、ホルモン処理後の翻訳開始時期も早くなった。さらに、この配列が特定のタンパク質と相互作用して働く事が明らかになり、このシス配列を認識するトランス因子の同定への手がかりを得た。 3、部位及び時期特異的翻訳制御における微小繊維の機能: 微小繊維に結合するモエシンタンパク質のC末端部とGFPの融合蛋白質を発現するトランスジェニックゼブラフィッシュの作出に成功した。これを用い、卵成熟過程における微小繊維の変化をリアルタイムで観察することにも成功した。この系は、微小繊維依存性のサイクリンB1 mRNA翻訳制御の詳細を明らかにするための強力な武器となり得ると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた3つの研究のうち、「1、部位及び時期特異的翻訳に関わる新規蛋白質の同定」は計画どおりに進行、「2、翻訳制御に関わるORFのシス配列とトランス因子の同定」は計画以上に進展している。一方、「3、部位及び時期特異的翻訳制御における微小繊維の機能」では、アクチンフィラメントを可視化するトランスジェニックゼブラフィッシュの作出に成功したが、サイクリンB1 mRNAを可視化するトランスジェニックゼブラフィッシュの作出に遅れが見られる。
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今後の研究の推進方策 |
「1、部位及び時期特異的翻訳に関わる新規蛋白質の同定」については、サイクリンB1 mRNAとの結合が確認されたIMP3、ELAV-like 1、Zar1のうち、特にIMP3に焦点を絞って研究する。「2、翻訳制御に関わるORFのシス配列とトランス因子の同定」については、ORF上のシス配列の同定に成功したので、これを認識するトランス因子の同定に焦点を絞る。「3、部位及び時期特異的翻訳制御における微小繊維の機能」については、サイクリンB1 mRNAを可視化するトランスジェニックゼブラフィッシュの作出を急ぐ。特に、Bacトランスジェニックの相同組換えに問題があるので、組換えを起こさせる配列を再検討することで、mRNA可視化個体作出を実現し、もって、サイクリンB1 mRNAとアクチンフィラメントの同時可視化を可能とする。
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