研究課題/領域番号 |
23370028
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態・構造
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
田中 滋康 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (90146233)
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研究分担者 |
鈴木 雅一 静岡大学, 理学部, 准教授 (60280913)
岡田 令子 静岡大学, 創造科学技術大学院, 講師 (50386554)
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研究期間 (年度) |
2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2011年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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キーワード | 無尾両生類 / アクアポリン / 水バランス調節 / 浸透圧 / 尿素回路 |
研究概要 |
水チャネルアクアポリン(AQP)の発現および生体内浸透圧調節機構に着目し、多様な生息環境に分布する無尾両生類の水バランス維持機構に関する下記の研究を行った。 1)ツメガエルにおける窒素代謝変換機構:減水環境で飼育したネッタイツメガエル肝臓中のアルギナーゼ(ARG)及びアルギノコハク酸リアーゼ(ASL)のmRNA発現が水中飼育群と比較して顕著に増大すること、血中サイロキシン(T_4)濃度く下垂体中の甲状腺刺激ホルモン及び視床下部中の副腎皮質刺激ホルモン放出因子mRNAの発現が上昇することを明らかにした。さらに肝臓細胞にT_4を添加して培養すると、ARGとASLのmRNA発現が増大することを明らかにし、減水時には視床下部-下垂体-甲状腺系が活性化し、その作用で尿素の合成が促進されることが示された。 2)Rana属における新規腹側皮膚型AQPの同定:Rana属の3種のカエル下腹部皮膚より、既に知られていた腹側皮膚型とは異なるタイプのAQPのcDNAをクローニングした。系統解析により、これらのAQPは樹上棲・陸棲のカエルの腹側皮膚型AQPと同じクラスターに属し、一方で以前から知られる腹側皮膚型AQPは水棲カエルの腹側皮膚型AQPと同一のクラスターに属することが明らかとなった。またこれらのAQPが下腹部皮膚最外顆粒細胞層の主細胞に発現していること、その局在が抗利尿ホルモンにより調節されることなどを明らかにした。 3)ネッタイツメガエルAQP-xt5'の機能:ネッタイツメガエルの機能未知のAQP(AQP-xt5')のcDNAクローニングを行い、その配列に基づき特異的ペプチド抗体を作製した。免疫蛍光染色の結果、AQP-xt5'は下腹部皮膚の顆粒腺分泌細胞および膀胱上皮の顆粒細胞の細胞質において発現していることがわかった。このAQPのmRNA発現は、減水または高浸透圧条件で飼育することで増加した。
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