前がん状態にみられる細胞老化とゲノム不安定性における複製ストレス応答機構の役割

• 研究課題/領域番号: 23501257
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 発がん
• 研究機関: 群馬大学
• 研究代表者: 山下 孝之 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (10166671)
• 研究分担者: 小田 司 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (10323643) ; 関本 隆志 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (20436322)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• 研究課題ステータス: 完了 (2013年度)
• 配分額: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円); 2013年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2012年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2011年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
• キーワード: DNA複製 / DNA複製ストレス / Y-family polymerase / cyclin E / geminin / ゲノム不安定性 / 前がん病変 / 発がん / Yファミリー・ポリメラーゼ / 発がん遺伝子 / 突然変異 / ゲノム不安定化

研究概要

前癌病変において、発がん遺伝子による複製ストレスとDNA損傷が、細胞老化・死を誘導する一方、ゲノム不安定性を介して発がんを促進する。この過程において、DNAの再複製は主要な役割を果たすが、これに関与するDNAポリメラーゼについては、ほとんど判明していない。私たちは、複製開始制御因子gemininの発現抑制による再複製モデル系において、Pol ηが動員されることを見いだした。また、Pol ηの発現抑制はgeminin抑制や発がん遺伝子cyclin Eが誘導する再複製を抑制した。これらの知見は、発がん初期過程におけるゲノム不安定性の仕組みの解明と治療開発に貢献することが期待される。

研究成果

• [雑誌論文] Matched sibling donor stem cell transplantation for Fanconi anemia patients with T-cell somatic mosaicism (2012)
  • 著者名/発表者名: Yabe M, Shimizu T, Morimoto T, Koike T, Takakura H, Tsukamoto H, Muroi K, Oshima K, Asami K, Takata M, Yamashita T, Kato S, Yabe H
  • 雑誌名: Pediatric Transplant 巻: (印刷中) 号: 4 ページ: 340-345
  • DOI: 10.1111/j.1399-3046.2012.01669.x
  • 査読あり
• [雑誌論文] Translesion DNA synthesis and hsp90 (2012)
  • 著者名/発表者名: Yamashita T, Oda T, Sekimoto T
  • 雑誌名: Genes and Environment 巻: 34 ページ: 89-93
  • NAID: 10030311653
  • URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jemsge/34/2/34_GE-2012-0006/_article
• [雑誌論文] Translesion DNA synthesis and Hsp90 (2012)
  • 著者名/発表者名: Takayuki Yamashita
  • 雑誌名: Genes and Environment 巻: 34 ページ: 89-93
  • NAID: 10030311653
  • 査読あり
• [雑誌論文] Direct Inhibition of TNF-α Promoter Activity by Fanconi Anemia Prote in FANCD2 (2011)
  • 著者名/発表者名: Nobuko Matsushita, Yujiro Endo, Koichi Sato, Hitoshi Kurumizaka, Takayuki Yamashita, Minoru Takata, Shigeru Yanagi
  • 雑誌名: PLoS One 巻: 6(電子媒体による発表) 号: 8 ページ: e23324-e23324
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0023324
  • 査読あり
• [雑誌論文] Regulation of the MDM2-P53 pathway and tumor growth by PICT1 via nucleolar RPL11 (2011)
  • 著者名/発表者名: Sasaki M, Kawahara K, Nishio M, Mimori K, Kogo R, Hamada K, Itoh B, Wang J, Komatsu Y, Yang YR, Hikasa H, Horie Y, Yamashita T, Kamijo T, Zhang Y, Zhu Y, Prives C, Nakano T, Mak TW, Sasaki T, Maehama T, Mori M, Suzuki A
  • 雑誌名: Nat Med 巻: 17 号: 8 ページ: 944-951
  • DOI: 10.1038/nm.2392
  • 査読あり
• [雑誌論文] Molecular chaperone Hsp90 regulates REV1-mediated mutagenesis (2011)
  • 著者名/発表者名: Pozo FM, Oda T, Sekimoto T, Murakumo Y, Masutani C, Hanaoka F, Yamashita T
  • 雑誌名: Mol Cell Biol 巻: 31 ページ: 3396-3409
  • 査読あり
• [雑誌論文] Molecular chaperone Hsp90 regulates REV1-mediated mutagenesis. (2011)
  • 著者名/発表者名: Pozo FM
  • 雑誌名: Mol Cell Biol 巻: 31 号: 16 ページ: 3396-3409
  • DOI: 10.1128/mcb.05117-11
  • 査読あり
• [学会発表] DNA polymerase-eta promotes DNA rereplication (2014)
  • 著者名/発表者名: 山下孝之
  • 学会等名: International symposium on xeroderma pigmentosum and related disorders
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] DNA polymerase η promotes DNA rereplication (2014)
  • 著者名/発表者名: 山下孝之
  • 学会等名: International symposium on xeroderma pigmentosum and related disorders
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] DHRS2は熱ショック転写因子HSF1 抑制で誘導される細胞老化に関与する可能性がある (2013)
  • 著者名/発表者名: 小田 司、関本隆志、山下孝之
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] Polymerase-eta は発がん遺伝子が誘導するDNA 再複製に関与する (2013)
  • 著者名/発表者名: 関本隆志、小田司、花岡文雄、山下孝之
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] Y-family DNA ポリメラーゼは、発がんシグナルが誘導するDNA 再複製に関与する (2013)
  • 著者名/発表者名: 関本隆志、小田司、益谷央豪、花岡文雄、山下孝之
  • 学会等名: 第72回 日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜
• [学会発表] Y-familyポリメラーゼは発がんシグナルが誘導するDNA再複製に関与する (2013)
  • 著者名/発表者名: 関本隆志、小田司、益谷央豪、花岡文雄、山下孝之
  • 学会等名: 第72回日本癌学術総会
  • 発表場所: 横浜
• [学会発表] DHRS2は熱ショック転写因子HSF1抑制で誘導される細胞老化に関与する (2013)
  • 著者名/発表者名: 小田司、関本隆志、山下孝之
  • 学会等名: 第72回日本癌学術総会
  • 発表場所: 横浜
• [学会発表] Polymerase η は発がん遺伝子が誘導するDNA再複製に関与する (2013)
  • 著者名/発表者名: 関本隆志、小田司、益谷央豪、山下孝之
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] DHRS2は、熱ショック転写因子HSF1の発現抑制で誘導される細胞老化に関与する可能性がある (2013)
  • 著者名/発表者名: 小田 司、関本隆志、山下孝之
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] Y-family DNA ポリメラーゼは、発がんシグナルが誘導するDNA 再複製に関与する (2012)
  • 著者名/発表者名: 関本隆志、小田司、益谷央豪、花岡文雄、山下孝之
  • 学会等名: 第35回 日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] 熱ショック応答転写因子Heat shock factor 1 (HSF1)の抑制によるp53 依存性細胞老化にはDHRS2 の発現誘導が重要である (2012)
  • 著者名/発表者名: 小田 司、関本隆志、山下孝之
  • 学会等名: 第35回 日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] Polymerase-eta is involved in oncogene-induced DNA re-replication and DNA damage responses (2012)
  • 著者名/発表者名: 関本隆志、小田司、益谷央豪、花岡文雄、山下孝之
  • 学会等名: 第71回 日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] Polymerase-eta is involved in oncogene-induced DNA re-replication and DNA damage responses (2012)
  • 著者名/発表者名: 関本隆志
  • 学会等名: 第７１回 日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] Y-family DNAポリメラーゼは、発がんシグナルが誘導するDNA再複製に関与する (2012)
  • 著者名/発表者名: 関本隆志
  • 学会等名: 第３５回 日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] 熱ショック応答転写因子Heat shock factor 1 (HSF1)の抑制によるp53依存性細胞老化にはDHRS2の発現誘導が重要である (2012)
  • 著者名/発表者名: 小田 司
  • 学会等名: 第３５回 日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] 熱ショック応答転写因子Heat shock factor 1 (HSF1)の転写活性の抑制はp53-p21 経路を介した細胞老化を誘導する (2011)
  • 著者名/発表者名: 小田 司、関本隆志、山下孝之
  • 学会等名: 第34回 日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
• [学会発表] Y-family DNA ポリメラーゼによる損傷乗り越えDNA 合成は、cyclin E過剰発現によるDNA 複製ストレス応答に関与する (2011)
  • 著者名/発表者名: 関本隆志、小田司、益谷央豪、花岡文雄、山下孝之
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
• [学会発表] 分子シャペロンHsp90 はREV1 による突然変異の誘発を制御する (2011)
  • 著者名/発表者名: マイカ ポゾ フランクリン、小田司、関本隆志、村雲芳樹、益谷央豪、花岡文雄、山下孝之
  • 学会等名: 第70回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
• [学会発表] 熱ショック転写因子HSF1 の急性欠乏は複数の腫瘍抑制経路を介して細胞老化プログラムを活性化する (2010)
  • 著者名/発表者名: 小田司、関本隆志、山下孝之
  • 学会等名: 第70回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
• [学会発表] Y-family DNAポリメラーゼによる損傷乗り越えDNA合成は、cyclin E過剰発現によるDNA複製ストレス応答に関与する
  • 著者名/発表者名: 関本隆志、山下孝之ら
  • 学会等名: 第３４回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
• [備考] ホームページ等
  • URL: http://molgen.imcr.gunma-u.ac.jp
• [備考] 群馬大学生体調節研究所 遺伝子情報分野
  • URL: http://molgen.imcr.gunma-u.ac.jp
• [備考] 群馬大学生体調節研究所・遺伝子情報分野
  • URL: http://www.imcr.gunma-u.ac.jp/lab/molgen/