研究課題
基盤研究(C)
鎌倉時代絵画を代表する知恩院蔵阿弥陀二十五菩薩来迎図について、同作品及び関連する多数の絵画の詳細な調査検討を行った。その結果、過去の研究には根本的な誤りがあることが明らかになり、なぜそうした誤りが生じたかについても分析した。その上で、本作品の本質的な性格を明らかにし、制作事情に関する最も妥当な認識を獲得した。一つは本図の成立に浄土宗は関係がないこと。二つ目には本図に描かれているのは春の景色だけであること。三つ目に、本図は来迎図という仏画の形式を借りて描かれた肖像画であることである。