研究課題
基盤研究(C)
1871年の皇室における神仏分離で、平安時代以来の仏教と皇室の関係が断ち切られたわけではない。明治期東京の皇太后・皇后や宮家などにおける皇室の私的な世界では、念持仏の所持や仏教信仰が続いた。また1895年に皇太子明宮(はるのみや)が危篤になった折には、不動明王や閻魔天への病気平癒の祈祷を、皇室が泉涌寺に依頼した。明治10年代に、公的には神道による先祖祭祀、私的には仏教による供養という二重構造が宮内省より皇族に許され、そのことが近現代の皇室に影響を与えた。
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