研究課題
基盤研究(C)
平成23~24年度においては、『大日本史料』、『大日本古記録』、『史料纂集』、『正・続史料大成』、『平安遺文』、『鎌倉遺文』、『国史大系』、各都道府県等自治体史を検索し、大般若経に関する記事を収集した。また、各都道府県等自治体史の本編・史料編、および全国都道府県および主要都市のホームページにある文化財目録を検索し、全国の大般若経の所在情報を収集した。さらに、国内、中国、韓国において、古経典および料紙の調査を実施した。平成25年度は、中国・唐時代に玄奘三蔵が大般若経の訳経事業を行った、中国・西安の現地調査を実施した。主な調査先は、訳経事業が行われた大慈恩寺、玄奘の墓塔のある興教寺、陝西省博物館、西安博物院、碑林博物館である。カリフォルニア大学バークレー校東アジア図書館所蔵の「崇永版」大般若経の調査を実施した。当該大般若経は、本研究の主要な対象である「崇永版」大般若経の一揃えであり、三井家に伝来していたものである。過去に川瀬一馬氏が存在することだけを紹介したことがあるが、その後、全点の調査を実施したのは初めてのことである。調査では、全巻を巻頭から巻末まで通して通覧し、版心、版木長、料紙、奥書等、総合的な調査を実施した。本調査結果は、論文にまとめて公開を予定している。なお、今後は、今年度8月以降に実施する予定であった、史料のデータベース化を図る予定である。データベースでは、各史料集から抜き出した大般若経関連の史料を編年して集成するとともに、所蔵者別の大般若経の一覧を作成する。
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