研究概要 |
本研究は,いまだ解決策を見いだせない日本の少子化に焦点を当て,出生力分析で従来光の当たらなかった地方都市を選び,新潟県柏崎市の実態調査によって,その地域の出生力の特性を明らかにした. 柏崎市をはじめ地方都市では,大都市に比べて相対的に高い夫婦出生力と低い未婚率がみられる.その理由を調査結果からみると,正規雇用の割合の高さ,子供や結婚に対して比較的積極的な考え方があること,親との同居割合の高さ等が重要である.人口の4分の1を占める地方都市の出生力は日本の出生力回復に大きな役割を果すと考えられる.しかし,人口移動の大都市集中が続くと地方都市の相対的高出生力の維持が困難になる.
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