研究課題
基盤研究(C)
仏領チュニジアとモロッコが1956年3月に独立する過程を分析した。その際、宗主国が現地協力者による政治体制を樹立することで影響力扶植に成功したかに注目した。フランスが独立を承認した理由は、55年にソ連から軍備を獲得するなどアラブ中立主義を掲げるエジプトに倣い、モロッコが独立を強行する可能性が生じたからである。これは第二次大戦後に宗主国が植民地独立を初めて承認した例であり、その後の独立の嚆矢となった。モロッコ独立の承認は、植民地が東西対立の文脈で中立化することを阻止し、フランスの影響力圏に留め置くことが目的だった。独立承認の目的はソ連の影響力に対抗することであり、冷戦政策の一環だと言える。
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