外貨準備の蓄積は一種の貯蓄であり、正になる条件を求めました。通常の異時点間の最適化問題では、初期時点での水準が負となるため、解決策を模索致しました。不確実性下の最適消費-貯蓄理論での問題解決にはLoss Aversionの理論を援用しうるということが解り、それを援用すると、正の最適外貨準備水準の条件は、Loss Aversion、相対危険回避、危機確率の数値の評価が必要です。これらを念頭に3次元空間で初期の効用曲面を評価すると、産出量がともに正と負の変化確率の大きい国は両者ともに正の最適外貨準備水準を保有するという結果が得られました。現在は、この結果を一般化すべく鋭意研究を継続致しております。
|