ヒトはいかにして危機を察知するのか？：脅威情報の無意識的処理と神経基盤の解明

• 研究課題/領域番号: 23530952
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 実験心理学
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: 松本 絵理子 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (00403212)
• 研究分担者: 内藤 智之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90403188)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• 研究課題ステータス: 完了 (2013年度)
• 配分額: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円); 2013年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円); 2012年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円); 2011年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
• キーワード: 注意 / 脅威表情 / バイアス / 意識 / 不安 / 脅威 / 表情 / 脳活動

研究概要

本研究では、人間が外界の脅威となる情報に対する注意の優位性効果に注目し、特にどのような場合において脅威情報に対して注意が惹きつけられ得るのかについて検討を行った。本研究課題では中央課題の難易度を操作し、課題非関連刺激として、怒り、中立、笑顔の表情を周辺に呈示したところ、課題レベルの難易度が高くなる場合には、怒り表情が周辺に呈示されると妨害効果が高くなることが見いだされた。この結果は脅威情報は抑制が困難で意図とは独立に処理されうることを示す。また、脅威刺激処理に対する個人特性が及ぼす影響を検討したところ、不安を感じやすいという特性が高い場合、妨害効果がより高くなることも示された。

研究成果

• [雑誌論文] モダリティの違いによる情報の理解と印象評定に及ぼす影響:SD法を用いた検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 松本絵理子
  • 雑誌名: 紀要国際文化学研究 巻: (印刷中)
  • NAID: 120005617320
• [雑誌論文] フランカーと妨害刺激の処理の類似性による干渉抑制への影響 (2014)
  • 著者名/発表者名: 川島朋也・松本絵理子
  • 雑誌名: 基礎心理学研究 巻: (採択決定済・印刷中)
  • NAID: 130004712477
  • 査読あり
• [雑誌論文] Numerical distance effect in cardinal and nominal context during overt and covert reading (2014)
  • 著者名/発表者名: Kirjakovski, A., & Matsumoto, E.
  • 雑誌名: IEICE Technical Report 巻: (in printing)
  • NAID: 110009903816
• [雑誌論文] 記憶項目が選択的注意に与える影響 (2014)
  • 著者名/発表者名: 川島朋也・松本絵理子
  • 雑誌名: Technical Report on Attention and Cognition 巻: No.9 ページ: 17-18
• [雑誌論文] フランカーと妨害刺激の処理の類似性による干渉抑制への影響 (2014)
  • 著者名/発表者名: 川島朋也、松本絵理子
  • 雑誌名: 基礎心理学研究 巻: 印刷中
  • NAID: 130004712477
  • 査読あり
• [雑誌論文] Numerical Distance Effect in Cardinal and Nominal Contexts during Overt and Covert Reading (2014)
  • 著者名/発表者名: Kirjakovski A, Matsumoto E
  • 雑誌名: IEICE Technical Report 巻: 印刷中
  • NAID: 110009903816
• [雑誌論文] Spike synchronization in cat primary visual cortex depends on similarity of surround suppression magnitude. (2014)
  • 著者名/発表者名: Naito, T., Kasamatsu, T., & Sato, H.
  • 雑誌名: European Journal of Neuroscience 巻: 39 号: 6 ページ: 934-945
  • DOI: 10.1111/ejn.12469
  • 査読あり
• [雑誌論文] 日本人英語学習者の文処理時における言語情報への敏感さに熟達度が与える影響〜事象関連電位測定実験による神経脳科学的検討〜 (2013)
  • 著者名/発表者名: 鳴海智之・長井千枝子・松本絵理子・林良子・横川博一
  • 雑誌名: 信学技報 巻: 113(174) TL2013-16 ページ: 13-18
• [雑誌論文] 視覚的注意における希釈項目の影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 川島朋也・松本絵理子
  • 雑誌名: Technical Report on Attention and Cognition 巻: No.25 ページ: 49-50
• [雑誌論文] 怒り表情の探索優位性の背景要因 (2013)
  • 著者名/発表者名: 松本絵理子
  • 雑誌名: Technical Report on Attention and Cognition 巻: No.19 ページ: 37-38
• [雑誌論文] 視覚的注意における希釈項目の影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 川島朋也、松本絵理子
  • 雑誌名: Technical Report on Attention and Cognition 巻: 25 ページ: 49-50
• [雑誌論文] 日本人英語学習者の文処理時における言語情報への敏感さに熟達度が与える影響 ～ 事象関連電位測定実験による神経脳科学的検討 ～ (2013)
  • 著者名/発表者名: 鳴海智之・長井千枝子・松本絵理子・林 良子・横川博一
  • 雑誌名: 信学技報 巻: 113(174) ページ: 13-18
• [雑誌論文] Spatiotemporal receptive field structures in retinogeniculate connections of cat (2013)
  • 著者名/発表者名: Suematsu N, Naito T, Miyoshi T , Sawai H, Sato H
  • 雑誌名: Frontiers in Systems Neuroscience 巻: 7 ページ: 1-13
  • DOI: 10.3389/fnsys.2013.00103
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Effects of stimulus spatial frequency, size, and luminance contrast on orientation tuning of neurons in the dorsal lateral geniculate nucleus of cat. (2013)
  • 著者名/発表者名: Naito, T., Okamoto, M., Sadakane, O., Shimegi, S., Osaki, H., Hara, S. I., Kimura, A., Ishikawa, A., Suematsu, N., & Sato, H.
  • 雑誌名: Neuroscience Research 巻: 77 号: 3 ページ: 143-154
  • DOI: 10.1016/j.neures.2013.08.009
  • 査読あり
• [雑誌論文] Cueing effects on target location probability and repetition (2012)
  • 著者名/発表者名: Kabata T, Matsumoto E
  • 雑誌名: Vision Research 巻: 15 ページ: 23-29
  • DOI: 10.1016/j.visres.2012.09.014
  • 査読あり
• [雑誌論文] Relationship between orientation sensitivity and spatiotemporal receptive field structures of neurons in the cat lateral geniculate nucleus. (2012)
  • 著者名/発表者名: Suematsu N, Naito T, Sato H.
  • 雑誌名: Neural Networks 巻: 35 ページ: 10-20
  • DOI: 10.1016/j.neunet.2012.06.008
  • 査読あり
• [雑誌論文] 標的出現確率の付与方法が注意配分に及ぼす影響 (2011)
  • 著者名/発表者名: 嘉幡貴至・松本絵理子
  • 雑誌名: 基礎心理学研究 巻: 30 ページ: 56-64
  • NAID: 110008790320
  • 査読あり
• [雑誌論文] 標的出現確率の付与方法が注意配分に及ぼす影響 (2011)
  • 著者名/発表者名: 嘉幡貴至、松本絵理子
  • 雑誌名: 基礎心理学会誌 巻: 30 ページ: 56-64
  • NAID: 110008790320
  • 査読あり
• [学会発表] 不安が脅威表情探索過程における脳活動に及ぼす影響脳と心のメカニズム (2014)
  • 著者名/発表者名: 松本絵理子・川島朋也・内藤智之
  • 学会等名: 第14回冬のワークショップ
  • 発表場所: ルスツリゾート、北海道
  • 年月日: 2014-01-08
• [学会発表] 不安が脅威表情探索過程における脳活動に及ぼす影響 (2014)
  • 著者名/発表者名: 松本絵理子、川島朋也、内藤智之
  • 学会等名: 脳とこころのメカニズム第14回冬のワークショップ
  • 発表場所: ルスツリゾート、北海道
• [学会発表] The temporal dynamics and underlying mechanisms of orientation tuning of neurons in the cat lateral geniculate nucleus. (2014)
  • 著者名/発表者名: Naito T, Suematsu N, Miyotshi T, Sawai H, Sato H.
  • 学会等名: 脳とこころのメカニズム第14回冬のワークショップ
  • 発表場所: ルスツリゾート、北海道
• [学会発表] 妨害刺激処理におけるターゲット弁別性の影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 川島朋也・松本絵理子
  • 学会等名: 日本心理学会第77回大会
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター、北海道
  • 年月日: 2013-09-19
• [学会発表] The statistical computation underlying surface property perception in the cat primary visual cortex. (2013)
  • 著者名/発表者名: Naito T, Suematsu N, Miyotshi T, Sawai H, Sato H.
  • 学会等名: SfN2013
  • 発表場所: San Diego, USA
• [学会発表] ネコ外側膝状体および一次視覚野ニューロンの物体表面光沢感選択性 (2013)
  • 著者名/発表者名: 内藤智之、末松尚史、三好智満、澤井元、佐藤宏道
  • 学会等名: 第106回近畿生理学談話会
  • 発表場所: 奈良県立医科大学
• [学会発表] 色情報が絵画・写真の印象評定に与える影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 内藤智之
  • 学会等名: 日本心理学会第77回大会
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター, 北海道
• [学会発表] 妨害刺激におけるターゲット弁別性の影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 川島朋也、松本絵理子
  • 学会等名: 日本心理学会第77回大会
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター, 北海道
• [学会発表] 続かなければ学習されない―表劇頻出位置への注意配分における反復の影響― (2012)
  • 著者名/発表者名: 嘉幡貴至・松本絵理子・喜多伸一
  • 学会等名: 日本基礎心理学会第31回大会
  • 発表場所: 九州大学、福岡
  • 年月日: 2012-11-04
• [学会発表] 健常成人における認知的共感度と視覚処理特性の関連 (2012)
  • 著者名/発表者名: 坂口裕香・松本絵理子
  • 学会等名: 日本基礎心理学会第31回大会
  • 発表場所: 九州大学、福岡
  • 年月日: 2012-11-04
• [学会発表] 大きさの恒常性は輝度コントラストに依存する (2012)
  • 著者名/発表者名: 内藤智之・松本絵理子
  • 学会等名: 日本基礎心理学会第31回大会
  • 発表場所: 九州大学、福岡
  • 年月日: 2012-11-03
• [学会発表] Working memory load influences on attention process of the emotional task-irrelevant information (2012)
  • 著者名/発表者名: Matsumoto, E
  • 学会等名: European Conference on Visual Perception
  • 発表場所: アルゲーロ、イタリア
  • 年月日: 2012-09-04
• [学会発表] 周辺に呈示された課題非関連表情が認知処理過程に及ぼす影響 (2012)
  • 著者名/発表者名: 松本絵理子
  • 学会等名: 日本認知心理学会第10回大会
  • 発表場所: 岡山大学、岡山
  • 年月日: 2012-06-02
• [学会発表] 周辺に呈示された課題非関連表情が認知処理過程に及ぼす影響 (2012)
  • 著者名/発表者名: 松本絵理子
  • 学会等名: 日本認知心理学会第11回大会
  • 発表場所: 岡山大学
• [学会発表] Working memory load influences on attention process of the emotional task-irrelevant information. (2012)
  • 著者名/発表者名: Matsumoto E
  • 学会等名: ECVP2012
  • 発表場所: Alghero Italy
• [学会発表] Temporal dynamics of relative spatial frequency tuning of human perception. (2012)
  • 著者名/発表者名: Naito T, Matsumoto E, Sato H.
  • 学会等名: ECVP2012
  • 発表場所: Alghero Italy
• [学会発表] One number, many contexts: Contextual numeric priming reveals differences between nominal and cardinal numerals. (2012)
  • 著者名/発表者名: Kirjakovski A, Matsumoto E.
  • 学会等名: 日本基礎心理学会第31回大会
  • 発表場所: 九州大学
• [学会発表] 健常成人における認知的共感度と視覚処理特性の関連 (2012)
  • 著者名/発表者名: 坂口裕香・松本絵理子
  • 学会等名: 日本基礎心理学会第31回大会
  • 発表場所: 九州大学
• [学会発表] 続かなければ学習されない―標的頻出位置への注意配分における反復の影響― (2012)
  • 著者名/発表者名: 嘉幡貴至・松本絵理子・喜多伸一
  • 学会等名: 日本基礎心理学会第31回大会
  • 発表場所: 九州大学
• [学会発表] 大きさの恒常性は輝度コントラストに依存する (2012)
  • 著者名/発表者名: 内藤智之・松本絵理子
  • 学会等名: 日本基礎心理学会第31回大会
  • 発表場所: 九州大学
• [学会発表] 視覚的注意過程における“希釈”の評価―特徴統合と音韻処理の観点から― (2012)
  • 著者名/発表者名: 川島朋也・松本絵理子
  • 学会等名: 第10回日本ワーキングメモリ学会
  • 発表場所: 京都大学
• [学会発表] 不安特性と表情への注意 (2011)
  • 著者名/発表者名: 松本絵理子
  • 学会等名: 国際健康学総合研究センター研究会
  • 発表場所: 神戸大学、神戸
  • 年月日: 2011-11-21
• [学会発表] 目標探索における出現位置確率と反復の効果 (2011)
  • 著者名/発表者名: 嘉幡貴至・松本絵理子
  • 学会等名: 日本心理学会第75回大会
  • 発表場所: 日本大学、東京
  • 年月日: 2011-09-15
• [学会発表] Can an angry face be ignored efficiently? The effects of emotional distractor and perceptual load (2011)
  • 著者名/発表者名: Matsumoto, E., & Kinugasa, Y.
  • 学会等名: European Conference on Visual Perception
  • 発表場所: トゥルーズ、フランス
  • 年月日: 2011-08-31
• [学会発表] Detection process for biased target position based on the Bayesian estimation procedure (2011)
  • 著者名/発表者名: Naito, T., Kabata, T. & Matsumoto, E.
  • 学会等名: European Conference on Visual Perception
  • 発表場所: トゥルーズ、フランス
  • 年月日: 2011-08-31
• [学会発表] The effects of target location probability and repetition on allocation of attention (2011)
  • 著者名/発表者名: Kabata, T., & Matsumoto, E.
  • 学会等名: Asia-Pacific Conference on Vision 2011
  • 発表場所: 香港、中国
  • 年月日: 2011-07-17
• [学会発表] 不安特性と表情への注意 (2011)
  • 著者名/発表者名: 松本絵理子
  • 学会等名: 国際健康学総合研究センター 第一回研究会(招待講演)
  • 発表場所: 神戸大学
• [学会発表] Can an angry face be ignored efficiently? The effects of emotional distractor and perceptual load. (2011)
  • 著者名/発表者名: Matsumoto Eriko, Kinugasa Yuri
  • 学会等名: European Conference on Visual Perception 2011
  • 発表場所: トゥルーズ、フランス
• [学会発表] Detection process for biased target position based on the Bayesian estimation procedure. (2011)
  • 著者名/発表者名: Naito Tomoyuki, Kabata Takashi, Matsumoto Eriko
  • 学会等名: European Conference on Visual Perception 2011
  • 発表場所: トゥルーズ、フランス
• [図書] 脳神経科学イラストレーティッド (2012)
  • 著者名/発表者名: 佐藤宏道、内藤智之、七五三木聡
  • 総ページ数: 396
  • 出版者: 羊土社
• [図書] 脳と心の視点から探る心理学入門 (2011)
  • 著者名/発表者名: 松本絵理子(編・著)
  • 総ページ数: 229
  • 出版者: 培風館
• [図書] 脳と心の視点から探る心理学入門 (2011)
  • 著者名/発表者名: 松本絵理子
  • 総ページ数: 229
  • 出版者: 培風館