発達性ゲルストマン症候群の5つの徴候のうち、主要な計算障害、書字障害、左右混乱、手指認知の併存状況を検討し、必ずしもこれらの徴候の併存率が高くないことを確認した。計算障害の認知特徴を検討する基礎として、数の量的把握を調べる検査を開発し、健常児のデータを採取した。数的事実、計算手続きの速さと正確さの計算技能各要素を、共分散構造分析にかけ、数的事実の速さが計算手続きの速さ、計算手続きの正確さに影響する結果を得た。数的事実の不十分な自動化が、計算能力の低下の原因となることが示唆される。また、数の量的把握は数的事実の速さに相関することがわかった。計算能力の解析は、支援介入の構成に不可欠な情報と考える。
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