配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2013年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2012年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2011年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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研究概要 |
新規無鉛圧電材料MgSiO_3(MSO)による骨再生用スキャホールドの開発を目指し,MSO薄膜の創製技術開発を行った.RF マグネトロンスパッタ法によりSi基板上に成膜した1,2,3層のMgSiO_3薄膜の結晶方位はX 線回折によりいずれも(111)方位であることが確認され,全ての試験片の圧電定数は約100 pm/Vであった.自然分極によりMgSiO_3薄膜には表面電位が誘起され,その値は積層数が増えるほど低下した.MSO薄膜に繰り返し4点曲げを与えながら薄膜上で細胞培養が行える培養装置を作製した.MSO薄膜表面には繰り返し曲げ負荷周期に応じて両振りの電位が誘起され,電位のピーク値は積層数が増えるほど上昇した.したがって,創製したMSO薄膜は骨形成を促進するコーティングに適していることが示唆された. 圧電材料の圧電効果による骨形成への影響を検討するため,繰り返し圧縮変形を負荷したBaTiO_3(BTO)基材上で骨芽細胞様細胞を培養した.試験片として,分極処理したpolarized BTOおよび分極処理しないnon-polarized BTOを準備した.自然分極による表面電位には分極の有無による違いはなく,polarized BTO表面には繰り返し圧縮変形に応じて両振りの電位が誘起された.変形を与えたpolarized BTO上で培養した場合のALP活性がもっとも高くなった.一方,変形を与えない場合はALP活性に分極の有無の影響は見られなかった.これより,繰り返し圧縮変形に伴うpolarized BTOの表面電位が骨芽細胞様細胞の骨分化を促進することが示唆された.
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