研究課題
基盤研究(C)
立方晶炭化ケイ素は物理的な性質から200度以上でも使える半導体材料であるが、双晶と呼ばれる結晶欠陥が高密度で存在するためデバイス作製に向けて立方晶基板の高品位化が望まれている。本研究では基板に微細な凹凸を設け、成長初期における二次元結晶核の発生頻度を制御する。そして双晶の発生を抑制した立方晶の炭化ケイ素基板の成長とそれを使って電子デバイスを試作、評価する事を目的とする。立方晶の炭化ケイ素は種佶晶や基板は市販されていない。昇華法を用いて作成した六方晶炭化ケイ素基板を用いる。六方晶と立方晶の結晶構造は異なるが、格子定数と熱膨張係数が同じなので格子不整合の心配はない。六方晶と立方晶では積層順序が異なるため、六方晶基板を使うと双晶を含む立方晶炭化ケイ素が必ず成長する。双晶の発生を抑制するため、まず六方晶基板を微細加工して表面に凹凸構造を作る。凸構造上部の限られた領域に生えた立方晶の二次元結晶核をもとに立方晶炭化ケイ素を成長する。成長初期の過飽和度を下げて結晶核の数を少なくして双晶の発生密度を抑制し大面積の立方晶炭化ケイ素を成長する。三フッ化塩素、塩素・酸素混合ガス、臭化水素、など種々のハロゲンガスを用いて炭化ケイ素表面の微細加工を行った。マスク材を用いて選択エッチングすることにより凹凸構造の作成に成功した。凸構造中央付近では基板に関係した六方晶炭化ケイ素が得られたが、凸構造周辺部には目的とする立方晶炭化ケイ素が成長しているのが確認できた。成長条件によっては最表面が全て立方晶炭化ケイ素で構成されている部分が得られ、その部分の双晶の有無を解析した。成長温度を低下させると立方晶が得られる確率は増加するが核発生密度が増えるため単一部の面積が小さくなる。素子寸法を踏まえた成長条件の最適化が必要である。熱酸化により形成された酸化膜を用いてMOS構造を作成し界面の電子状態を評価した。
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http://mswebs.naist.jp/LABs/fuyuki/
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