研究課題/領域番号 |
23560500
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計測工学
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
勝部 昭明 埼玉大学, 理工学研究科, 名誉教授 (70008879)
|
研究分担者 |
長谷川 有貴 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (90344952)
|
研究期間 (年度) |
2011 – 2012
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2013年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2012年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2011年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 植物インピーダンス / 植物表面電位 / 細胞インピーダンス / 高速測定 / 高インピーダンス / インピーダンスの等価回路 / 高インピーダンス測定 |
研究概要 |
植物のインピーダンスについて測定装置を製作した。この装置は周波数が100kHz~0.0001Hzまでのインピーダンスの複素数成分測定が出来るものである。次にこの装置について、高入力インピーダンスで測定できるシステムを初歩的ではあるが試作した。この機能は、Siダイオードを逆並列にして入力部に付加したものである。 以上作製した装置を用いてポトスのインピーダンスの測定を行った。始めに種々の電極を作製しその影響を調べた。その結果。脳波測定用の皿出電極および針電極で安定な測定が出来ることがわかった。またこれらの測定家結果は基本特性は同等であった。次に周波数を連続的に変化させてインピーダンスの測定を行い複素平面上で特性(Cole-Coleプロット)を求めた結果、高周波域では半円弧状の特性が、低周波域では直線状の特性が得られることが分かった。このうち高周波域の特性は従来から測定されているHaydenのモデルに類似であるがそれだけでは説明がつかず新しい等価回路の考察が必要であることがわかった。パラメータを種々変化させて検討した結果、植物の表面にそってのインピーダンス(沿面インピーダンス)を考慮することが必要であることがわかった。このインピーダンスは湿度に強く依存し植物内部のインピーダンスに並列に入っている。この沿面にピーダンスは内部インピーダンスに比べて外部環境の変化(特に湿度の変化)に対して速く大きな応答を示す。また低周波で観測された直線部分は拡散抵抗でありこの部分を考慮することにより等値回路がより精密に考察することが可能になるものと思われる。 次ぎにインピーダンスのサーカディアンリズムについて通常の方法と高入力インピーダンスの場合と比較して調べた。その結果通常の測定法に比べ当申請者らが提案している高インピーダンス入力による測定の方がより明瞭なサーカディアンリズムを示すことがわかった。この結果から、通常の方法は入力インピーダンスが小さいために植物の発生電位やインピーダンスが擾乱を受けていることが推測された。 次ぎに光に対してインピーダンスがどのような応答を示すか調べた。このとき同時に表面電位の測定を行いこれらの相関を調べた。表面電位では光の照射に対しては従来から報告されているように高速で大きなスパイク状の応答を示した。これに対しインピーダンスは光のOn-Offに対し大きな応答を示すが表面電位の変化に比べて変化が単調でその応答は遅いことがわかった。光照射については細胞内外でイオンの流通があることがわかっており、これがインピーダンスに高速に反映されるはずである。今後高速測定の手法を考慮する必要がある。
|