研究課題
基盤研究(C)
ある種の学習には、その時期にしか習得できない臨界期、または感受性期と呼ばれるものが存在する。なかでも、巣を持たない鳥類のヒナが、孵化してから数日の間に親を記憶して追いかける刷り込み学習はその典型例である。刷り込みの臨界期の時期を決定する因子については不明であったが、ニワトリにおける臨界期を開始させる因子が、学習と同時に脳内に流入する甲状腺ホルモンであり、最初期遺伝子の活性化や神経の微細構造の変化をもたらすことで、その後の学習効率を向上させるプライミング能力を持つことを示した。刷り込みの学習臨界期は、予めプログラムされて開始されるのではなく、後天的な学習経験によって開始されると考えられる。
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