研究課題
基盤研究(C)
粘液の本体であるムチン(O型糖タンパク質)の糖鎖を根元から遊離させるエンド型酵素は,特定の糖鎖構造にのみ作用するものしか見つかっておらず,ムチンの構造解析,機能解析の両面で大きな障害になっている.本研究では,魚類体表粘液から新奇糖鎖構造をもつムチンを分離し,これを主な炭素源とする培地で本酵素産生細菌を探索した.土壌,環境水など様々な環境由来の試料,魚類体表および消化管の粘液など,500種以上の試料を試験したが,目的酵素を検出できなかった.また,非還元末端糖のKDNの遊離もごく希にしか検出されなかった. KDNを含む魚類体表ムチンは,環境微生物からの魚類の生体防御に役立っていると考えられた.