• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

アダプター分子STAP-2によるT細胞活性制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23590065
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 生物系薬学
研究機関北海道大学

研究代表者

関根 勇一  北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (20396295)

研究期間 (年度) 2011
研究課題ステータス 中途終了 (2011年度)
配分額 *注記
5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2013年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2012年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2011年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
キーワードT細胞 / アポトーシス / AICD(活性化誘導性細胞死) / アダプター分子 / STAP-2 / 自己免疫疾患 / Caspase / シグナル伝達
研究概要

これまでに、アダプター分子Signal-transducing adaptor protein-2(STAP-2)がさまざまな細胞内シグナル伝達経路において機能的に働き、サイトカイン刺激による免疫細胞応答を調節する重要な分子であることを申請者は多数報告している。特にT細胞においてSTAP-2が重要な働きをしていることを数多く示してきた。本申請研究において、STAP-2によるT細胞の活性制御機構の更なる解明と、アポトーシスシグナル経路におけるSTAP-2の機能解析を行った。
1.STAP-2によるアポトーシス促進メカニズムの解明
これまでの研究では、Fas刺激時のCaspase活性がSTAP-2により亢進することを明らかにしており、本年度の研究によりアポトーシス促進メカニズムの解明を行った。STAP-2自身は酵素活性を持たないことから、Caspaseを活性化する分子とSTAP-2との複合体形成が一つのメカニズムとして考えられた。アポトーシスのイニシエーターであるCaspase-8は、刺激によるFasの活性化によりFADDというアダプター分子を介してレセプターへリクルートされ、DISCと呼ばれる複合体の中で活性化する。そこでSTAP-2がCaspaseの活性化を促進するメカニズムを解明するため、ヒト白血病T細胞株Jurkat細胞、STAP-2 KO T細胞、ヒト胎生腎癌細胞株293T細胞を用いて、免疫沈降実験などによりDISC形成分子とSTAP-2の相互作用解析等を行った。その結果、STAP-2はFasやCaspase-8と会合し、DISC形成を促進することを明らかにした。これよりSTAP-2によるアポトーシス促進は、DISC形成亢進によることが明らかになった。
2.STAP-2限定分解酵素の同定
これまでに申請者は、Jurkat細胞においてFas誘導性アポトーシス時に切断されたSTAP-2産物の分子量から、切断部位を推測しアミノ酸に変異を導入することで限定分解されないSTAP-2点変異体の作製に成功していた。この切断配列は、アポトーシス時に活性化するシステインプロテアーゼ、Caspaseファミリーによって認識される配列と相同性が高く、また、広範なCaspaseインヒビターとして知られるzVAD処理により、STAP-2の限定分解が抑制されることも予備実験により明らかにしていた。これら知見からCaspaseファミリー分子がSTAP-2の限定分解酵素であると考えられた。本年度の研究ではCaspaseファミリー特異的インヒビターを用いた解析、siRNAによるノックダウン実験によって、Caspase-8がSTAP-2切断酵素であることを同定した。
今後は、STAP-2が切断されることとアポトーシス促進の関連性、及びSTAP-2切断阻害剤の作製によりアポトーシスへの影響を解析していく予定である。アポトーシス時におけるSTAP-2限定分解の詳細な解析が、STAP-2限定分解の調節による自己免疫疾患の治療薬開発の手がかりになることを期待する。

報告書

(1件)
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of STAP-2 in Brk-mediated phosphorylation and activation of STAT5 in breast cancer cells2011

    • 著者名/発表者名
      Ikeda O., et al
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 102 号: 4 ページ: 756-761

    • DOI

      10.1111/j.1349-7006.2010.01842.x

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of tyrosine kinase-2 in both the IL-12/Th1 and IL-23/Th17 axes in vivo2011

    • 著者名/発表者名
      Ishizaki M, Akimoto T, Muromoto R, Yokoyama M, Ohshiro Y, Sekine Y, Maeda H, Shimoda K, Oritani K and Matsuda T.
    • 雑誌名

      J. Immunol.

      巻: 187 号: 1 ページ: 181-189

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1003244

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Kruppel-associated box-associated protein 1 negatively regulates TNF-α-induced NF-κB transcriptional activity by influencing the interactions among STAT3, p300, and NF-κB/P652011

    • 著者名/発表者名
      Kamitani S, Togi S, Ikeda O, Nakasuji M, Sakauchi A, Sekine Y, Muromoto R, Oritani K, Matsuda T
    • 雑誌名

      J Immunol

      巻: 187(5) 号: 5 ページ: 2476-83

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1003243

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tyk2 deficiency protects joints against destruction in antitype II collagen antibody-induced arthritis in mice2011

    • 著者名/発表者名
      Ishizaki M, Oritani K, et al
    • 雑誌名

      Int Immunol

      巻: 23 号: 9 ページ: 575-582

    • DOI

      10.1093/intimm/dxr057

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] アダプター分子STAP-2によるT細胞抗原受容体(TCR)シグナル伝達制御機構の解析2011

    • 著者名/発表者名
      赤坂大地、関根勇一、松田正
    • 学会等名
      第136回日本薬学会北海道支部例会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2011-05-21
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書

URL: 

公開日: 2011-08-05   更新日: 2019-07-29  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi