研究課題/領域番号 |
23590990
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
廣石 和正 昭和大学, 医学部, 准教授 (80296996)
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研究分担者 |
江口 潤一 昭和大学, 医学部, 助教 (00384371)
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研究期間 (年度) |
2011
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研究課題ステータス |
中途終了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2014年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2013年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2012年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2011年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / C型肝炎 / 免疫療法 / 細胞傷害性T細胞 |
研究概要 |
日本には現在150~200万人のC型肝炎ウイルス(HCV)感染者が存在すると推定されている。HCV感染は高頻度に持続感染に移行し、慢性肝炎から肝硬変と進展して、肝硬変からは年率約8%の割合で肝細胞癌が発生する。日本における肝細胞癌の原因の約80%はHCV感染であり、HCV感染による肝細胞癌死が年間2.7万人あると推定されている。肝癌治療においては免疫療法が注目されており様々な腫瘍抗原を標的とした免疫治療法が検討されている。MAGE-1、Glypican-3、NY-ESO-1抗原はいずれも腫瘍抗原として広く知られており、肝細胞癌においてもそれぞれ約70%、70%、30%と高い頻度で発現があるとの報告がある。将来的な免疫治療の確立のため、肝細胞癌患者における上記3種の腫瘍抗原に対する癌抗原特異的免疫応答と臨床経過との関連を比較検討し、HLA拘束性細胞傷害性T細胞が認識するエピトープの同定を試みた。MAGE-1、Glypican-3、NY-ESO-1抗原のアミノ酸配列からオーバーラッピングさせた20-merペプチドを作製した。肝細胞癌患者より採取した末梢単核球よりCD8陽性細胞を分離し、作製したペプチドに対するIFN-γ産生能についてELISPOT法を用いて評価した。その中で強い免疫応答を認めたペプチドをもとに、エピトープとなり得る10-merペプチドを作製し、患者またはHLAの一致した健常者のCD8陽性細胞を利用して抗原エピトープの同定を試みた。 肝細胞癌に対する局所治療を行い残存病変が認められない場合、強く癌抗原特異的免疫応答がみられると再発までの期間が長いことがわかった。また、強い免疫応答を認めた患者の末梢CD8陽性T細胞を利用して抗原エピトープの同定を試みたところ、Glypican-3についてHLA-B35拘束性の新規抗原エピトープが存在することが確認された。本研究の結果、免疫応答と臨床経過との関連より、肝細胞癌局所治療が免疫応答に影響を及ぼしていることが示唆され,特定の癌特異的CTLが再発を抑制する可能性が考えられた。このことは局所治療後の免疫賦活療法の有効性を示唆し、応答のみられた癌抗原ワクチン投与の臨床応用が十分期待できるものと考えられた。
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