配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2014年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2013年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2012年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2011年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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研究概要 |
1.微小変化型ネフローゼ症候群におけるmiRNAマイクロアレイ解析 微小変化型ネフローゼ症候群患者におけるネフローゼ発症期およびステロイド治療完全寛解期において末梢血血清よりsmall RNA分画を精製し、miRNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、ネフローゼ発症期と寛解期で発現が低下する3つのmiRNA(hsa-miR-1268, hsa-miR-1275, hsa-miR-4306)と発現が増強する5つのmiRNA(hsa-miR-1469, hsa-miR-1908, hsa-miR-585, hsa-miR-638, hsa-miRPlus-J204)が抽出された。以上より、ネフローゼ発症の動態に関わるmiRNAの存在が示唆された。今後、候補miRNAのリンパ球における発現をRT-PCRにて解析を予定している。 なお、本研究は患者同意を得た上で行われた。 2.腎組織内ヒストン脱アセチル化酵素(histone deacetylase:HDAC)の同定 腎組織内におけるヒストン修復(ヒストン脱アセチル化)と腎組織障害との関係をhistone deacetylase-1(HDAC1)抗体にて解析した。HDAC1は、主に糸球体細胞と尿細管上皮細胞に陽性であった。さらに、微小変化型ネフローゼ症候群では、非ネフローゼ症例と比較し、糸球体内HDAC1陽性細胞数には有意差は認めないものの、HDAC1陽性近位尿細管上皮細胞数が有意に増加していた(73.7±25.5 vs 40.7±14.7, p<0.01)。以上の結果より、ネフローゼの発症には、糸球体細胞より尿細管上皮細胞におけるヒストン修復(ヒストン脱アセチル化)が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。今後、さらに症例数を増やすとともに病態および治療の影響などを解析する予定である。なお、本研究は患者同意を得た上で行われた。
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