研究課題/領域番号 |
23591685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
藤原 道弘 福岡大学, 薬学部, 教授 (10091331)
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研究分担者 |
三島 健一 福岡大学, 薬学部, 准教授 (00320309)
入江 圭一 福岡大学, 加齢脳科学研究所, 研究員 (50509669)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
中途終了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2013年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2012年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2011年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 大麻 / カンナビノイド / Δ9-tetrahydrocannabinol / 超音波発声 / ストレス |
研究概要 |
大麻主要成分(Δ9-tetrahydrocannabinol:THC)は、生体内の大麻受容体を介し、様々な薬理作用を示す。こうした大麻受容体を介したカンナビノイドシステムの精神・神経系に対する作用は、様々な伝達物質を調節し、中枢性に起こる情動行動を制御する。環境の変化が精神的ストレスとなる場合、カンナビノイドシステムは種々の神経伝達物質の遊離を調節する役割を果たし、情動を統括していると考えられる。本年度は、環境ストレスが情動に与える影響を前年度得られた超音波発声の測定を基盤として、観察した。本実験は、ラットを単独隔離飼育による社会性ストレス、温度ストレス、新奇環境ストレスの各環境ストレス条件下に置き、その情動変容を超音波発声で測定し、評価した。実験は、Wistar系ラットを用い、各環境ストレス条件下に置き、超音波発声および行動変化を観測した。ラットが発声する超音波は、超音波解析ソフトであるSono trackを用いて解析した。その結果、単独飼育による社会性ストレス条件下に置いたラットは、50kHzの超音波を発生した。このとき、単独隔離飼育によりみられる攻撃性の亢進が確認された。また、温度ストレス条件下に置いたラットは超音波をほとんど発声しなかった。このとき、温度ストレスに対する不快感や防御反応を示す行動が観察された。新奇環境ストレス下に置いたラットは、50kHzの超音波を発声した。また、この発声は1時間後に再び新奇環境と同様の環境に置いたとき、発生頻度が減少した。以上の結果から、環境ストレスが情動に与える影響は、各環境ストレスに特徴を示すことが確認された。よって、超音波発声を用い、環境ストレスの作用を解析することは、環境ストレスが情動に与える影響を観察するのに有用な評価方法であることが示唆された。また、本研究で得られた成果は国立精神神経センターの部会で発表した。
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