がんの相同組換え修復能の特性に基づいた放射線治療とＰＡＲＰ阻害剤の併用療法の開発

• 研究課題/領域番号: 23591836
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 放射線科学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 細谷 紀子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00396748)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• 研究課題ステータス: 完了 (2013年度)
• 配分額: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円); 2013年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2012年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円); 2011年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
• キーワード: 癌 / 相同組換え / 放射線 / PARP阻害剤 / DNA損傷応答

研究概要

SYCP3は、減数分裂に必要なシナプトネマ複合体を構成する分子の１つであり、正常の体細胞では発現しないが、がん細胞で異所性に発現する。SYCP3が体細胞でBRCA2と複合体を形成して相同組換え修復を抑制することを踏まえ、本研究では、SYCP３発現がんにおけるPARP阻害剤単剤および放射線やシスプラチンとPARP阻害剤の併用の有効性について検討を行った。その結果、SYCP3発現細胞では、PARP阻害剤に対する感受性が著しく亢進すること、そして、放射線やシスプラチンとの併用によってその感受性がさらに高まることが明らかとなった。この成果は、SYCP3発現がんに対する治療開発の基盤となると考えられる。

研究成果

• [雑誌論文] Targeting DNA damage response in cancer therapy. (2014)
  • 著者名/発表者名: Hosoya N, Miyagawa K
  • 雑誌名: Cancer Sci. 巻: 105 号: 4 ページ: 370-388
  • DOI: 10.1111/cas.12366
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Anti-tumor activity of olaparib, a poly (ADP-ribose) polymerase (PARP) inhibitor, in cultured endometrial carcinoma cells (2014)
  • 著者名/発表者名: A. Miyasaka, K. Oda, Y. Ikeda, O. Wada-Hiraike, T. Kashiyama, A. Enomoto, N. Hosoya, T. Koso, T. Fukuda, K. Inaaba, K. Sone, Y. Uehara, R. Kurikawa, K. Nagasaka, Y.Matsumoto, T. Arimoto, S. Nakagawa, H. Kuramoto, K. Miyagawa, T. Yano, K. Kawana, Y. Osuga, T. Fujii.
  • 雑誌名: BMC Cancer 巻: 14 号: 1 ページ: 179-179
  • DOI: 10.1186/1471-2407-14-179
  • 査読あり
• [雑誌論文] The DNA damage responses: important determinants of the biological responses to radiation. (2013)
  • 著者名/発表者名: Hosoya N, Miyagawa K
  • 雑誌名: J Phys Conf Ser 巻: 印刷中
  • NAID: 120005650267
  • 査読あり
• [雑誌論文] 放射線の晩発影響 (2012)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子
  • 雑誌名: BIO MEDICA 巻: 27(5) ページ: 39-44
• [雑誌論文] Synaptonemal complex protein SYCP3 impairs mitotic recombination by interfering with BRCA2 (2012)
  • 著者名/発表者名: Hosoya N
  • 雑誌名: EMBO Rep 巻: 13 号: 1 ページ: 44-51
  • DOI: 10.1038/embor.2011.221
  • 査読あり
• [雑誌論文] Synaptonemal complex protein SYCP3 impairs mitotic recombination by interfering with BRCA2. (2012)
  • 著者名/発表者名: Hosoya N, Okajima M, Kinomura A, Fujii Y, Hiyama T, Sun J, Tashiro S, Miyagawa K.
  • 雑誌名: EMBO reports 巻: 13 ページ: 44-51
  • 査読あり
• [雑誌論文] がんにおけるゲノム不安定性 (2011)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子
  • 雑誌名: 細胞 巻: 43(6) ページ: 13-16
• [学会発表] がん精巣抗原SYCE1の体細胞発現によるDNA損傷抵抗性の誘導 (2013)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子, 藤井義大、宮川清
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸国際展示場(兵庫県神戸市)
  • 年月日: 2013-12-03
• [学会発表] 減数分裂特異的分子SMC1betaは、体細胞において、コヒーシンと干渉し、DNAの二重鎖切断の修復を阻害する (2013)
  • 著者名/発表者名: 後藤悌、細谷紀子、宮川清
  • 学会等名: 第72回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
  • 年月日: 2013-10-05
• [学会発表] The cancer-testis antigen SYCE2 impairs chromosome stability by activating ATM (2013)
  • 著者名/発表者名: Hosoya N, Miyagawa K
  • 学会等名: Chromatin, Replication and Chromosomal Stability 2013
  • 発表場所: BRIC, University of Copenhagen, Copenhagen, Denmark
  • 年月日: 2013-06-18
• [学会発表] がん精巣抗原SYCE1の体細胞発現によるDNA損傷抵抗性の誘導 (2013)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子, 藤井義大、宮川清
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド・神戸国際会議場・神戸国際展示場・神戸ポートピアホテル（兵庫県）
• [学会発表] 減数分裂特異的分子SMC1betaは、体細胞において、コヒーシンと干渉し、DNAの二重鎖切断の修復を阻害する (2013)
  • 著者名/発表者名: 後藤悌、細谷紀子、宮川清
  • 学会等名: 第72回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（横浜市）
• [学会発表] The meiosis-specific synaptonemal complex proteins modulate the intrinsic homologous recombination pathway in human cancer cells (2012)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子, 宮川清
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡国際会議場・マリンメッセ福岡(福岡県福岡市)
  • 年月日: 2012-12-11
• [学会発表] The synaptonemal complex protein SYCE2 activates ATM and induces chromosome instability in tumors (2012)
  • 著者名/発表者名: Hosoya N, Miyagawa K
  • 学会等名: 第74回日本血液学会
  • 発表場所: 国立京都国際会館(京都府京都市)
  • 年月日: 2012-10-20
• [学会発表] がん精巣抗原によるゲノム不安定性の誘導と治療応用 (2012)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子
  • 学会等名: 日本女性科学者の会第9回学術大会
  • 発表場所: アルカディア市ヶ谷(東京都新宿区)
  • 年月日: 2012-10-08
• [学会発表] The role for a meiosis-specific protein in regulating DNA damage response and chromosome stability in cancer (2012)
  • 著者名/発表者名: Hosoya N, Miyagawa K
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 札幌市教育文化会館(北海道札幌志)
  • 年月日: 2012-09-19
• [学会発表] ヒトがん細胞における異所性発現分子によるDNA損傷応答の多様な制御機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第55回大会
  • 発表場所: 東北大学川内北キャンパス(宮城県仙台市)
  • 年月日: 2012-09-07
• [学会発表] がんにおける減数分裂特異的分子の異所性発現の生物学的役割の解明 (2012)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子、宮川清
  • 学会等名: 第49回日本臨床分子医学会学術集会
  • 発表場所: みやこめっせ(京都府京都市)
  • 年月日: 2012-04-14
• [学会発表] 減数分裂特異的分子SYCP3の体細胞発現の生物学的役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子、宮川清
  • 学会等名: 第119回小児血液腫瘍懇話会
  • 発表場所: 東京医科歯科大学(東京都文京区)
  • 年月日: 2012-02-17
• [学会発表] 減数分裂特異的分子SYCP3の体細胞発現の生物学的役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子
  • 学会等名: 第119回小児血液腫瘍懇話会(招待講演)
  • 発表場所: 東京医科歯科大学（東京都）
• [学会発表] 減数分裂特異的分子の体細胞発現による中心体異常の誘導 (2011)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子
  • 学会等名: 第3回中心体研究会
  • 発表場所: 東京理科大学森戸記念館(東京都新宿区)
  • 年月日: 2011-12-17
• [学会発表] The synaptonemal complex protein SYCE2 induces chromosome instability in mitotic cells through activation of the ataxia-telangiectasia-mutated kinase (2011)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子, 宮川清
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
  • 年月日: 2011-12-16
• [学会発表] Expression of the meiosis-specific cohesion SMC1beta interferes with mitotic cohesion (2011)
  • 著者名/発表者名: Goto Y, Hosoya N, Miyagawa K
  • 学会等名: 第70回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
  • 年月日: 2011-10-04
• [学会発表] The synaptonemal complex protein SYCE2 induces chromosome instability through activation of ATM in cancer (2011)
  • 著者名/発表者名: Hosoya N, Miyagawa K
  • 学会等名: 第70回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
  • 年月日: 2011-10-04
• [学会発表] The synaptonemal complex protein SYCE2 induces chromosome instability through activation of ATM in cancer (2011)
  • 著者名/発表者名: Noriko Hosoya
  • 学会等名: 第70回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県）
• [学会発表] The synaptonemal complex protein SYCE2 induces chromosome instability in mitotic cells through activation of the ataxia-telangiectasia-mutated kinase (2011)
  • 著者名/発表者名: Noriko Hosoya
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜（神奈川県）
• [学会発表] 減数分裂特異的分子の体細胞発現による中心体異常の誘導 (2011)
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子
  • 学会等名: 第3回中心体研究会(招待講演)
  • 発表場所: 東京理科大学 森戸記念館（東京都）
• [学会発表] The meiosis-specific synaptonemal complex proteins modulate the intrinsic homologous recombination pathway in human cancer cells
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子, 宮川清
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡国際会議場・マリンメッセ福岡（福岡県）
• [学会発表] The synaptonemal complex protein SYCE2 activates ATM and induces chromosome instability in tumors
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子, 宮川清
  • 学会等名: 第74回日本血液学会
  • 発表場所: 国立京都国際会館（京都府）
• [学会発表] がん精巣抗原によるゲノム不安定性の誘導と治療応用
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子
  • 学会等名: 日本女性科学者の会第９回学術大会
  • 発表場所: アルカディア市ヶ谷（東京都）
  • 招待講演
• [学会発表] The role for a meiosis-specific protein in regulating DNA damage response and chromosome stability in cancer
  • 著者名/発表者名: Noriko Hosoya
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会 Symposia 1 「Recent development of chromosome and genome instability research」
  • 発表場所: 札幌市教育文化会館（北海道）
  • 招待講演
• [学会発表] ヒトがん細胞における異所性発現分子によるDNA損傷応答の多様な制御機構
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第55回大会
  • 発表場所: 東北大学川内北キャンパス（宮城県）
  • 招待講演
• [学会発表] がんにおける減数分裂特異的分子の異所性発現の生物学的役割の解明
  • 著者名/発表者名: 細谷紀子、宮川清
  • 学会等名: 第49回日本臨床分子医学会学術集会
  • 発表場所: みやこめっせ（京都府）