研究課題
基盤研究(C)
癌細胞の腹膜播種が進展して発症する癌性腹膜炎の治療は極めて難渋し、消化器癌や卵巣癌の死因に直結する。本研究では、卵巣癌細胞が接着する際に血流の支配を離れ、低酸素状態に陥ることに着目し、低酸素下で発現が減少するマイクロRNAhsa-miR-199a-3p (以下miR-199a-3p) を見出した。さらに解析を進め、miR-199a-3pは癌の播種、増殖に重要なチロシン受容体キナーゼの一つであるc-Met の発現を制御していることを確認し、miR-199a-3pの卵巣癌細胞への導入が腹膜播種を抑制することを見出した。即ち、miR-199a-3pが新たな卵巣癌治療の分子標的となる可能性を提示した。
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