研究概要 |
定常的視覚誘発電位に基づく脳コンピュータインタフェイスには,コマンドを増加させると視覚刺激に利用可能な周波数が不足するという問題がある.また,周波数によって誘発電位の発生強度が異なるため,コマンド間で識別率が異なり,入力されやすいコマンドや入力されにくいコマンドが存在してしまうという問題がある.これらを解決するために,異なる周波数の2種類の視覚刺激でバイナリ符号を定義し,その符号をコマンドに割り当てる方法を提案した.これは,ディジタル通信における周波数偏移変調に基づいて,脳コンピュータインタフェイスの視覚刺激を変調する方法であるといえる.本研究では,10コマンドのオンライン実験を行って従来の方法と提案する方法とを比較した.実験結果から,提案する方法は,コマンド間の識別率の差異が小さい,信頼性の高いBCIを実現できることが示された.
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