研究概要 |
行動の左右性は, 広い動物群で見られる普遍的な現象であるが, その礎となる神経機構は解明が進んでいない.我々は,タンガニイカ湖の鱗食性シクリッド科魚類Perissodus microlepis が示す捕食行動の著しい左右差を詳細に解析し, 運動の左右性を担う神経回路の同定を試みた.その結果,捕食時の素早い屈曲運動のキネティクスに左右差があり,その屈曲運動は後脳のマウスナー細胞で駆動される逃避運動に酷似することが見い出された.逃避運動には左右差がないことから,鱗食行動の左右性を生む責任部位は後脳より上流の神経系にあると考えられる.
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