研究課題
挑戦的萌芽研究
癌の病態に炎症の慢性化等の微小環境が関与することを示す知見が蓄積している。本研究では、癌の発症に重要な役割を果たすWntシグナルと炎症との関連について解析を行った。Wnt5aをマウス腹腔マクロファージ(Mφ)に作用させると、LPSによるIL-6等の発現が促進された。一方、Wnt5aをノックアウト(KO)したマウスから調整されたMφのLPSによる免疫応答は抑制された。デキストラン硫酸ナトリウムを投与することにより、マウスの腸管炎症が誘導できるが、Wnt5a KOマウスでは腸管炎症の病態が抑制された。Wnt5aの過剰発現が癌の悪性化に関わることと併せて、Wnt5aシグナルが炎症と癌の増悪を仲介することが示唆された。
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