本研究は、「地域の学校経営コンサルテーション」構想の可能性を考察・検討するために、基礎的データを得るものである。コンサルテーションにおいて、退職校長が助言者である場合の役割は、(1)日常的な相談役、(2)管理職の育成役、(3)学校と関係機関をつなぐパイプ役、(4)学校と学校をつなぐ橋渡し役であり、研究者が助言者の場合は、(1)教育的支援者、(2)相談相手・心の支え、(3)実践を意義付け・理論化する役割であったことが明らかとなった。また、助言者はいないが地域との連携という点で先進的な事例からは(1)学校運営協議会がコンサルテーションの場として機能していること、(2)退職校長や研究者の助言により一層の学校改善が図られる可能性があること、(3)アドバイザー制度を取り入れている学校や地域は、地域の課題により一層積極的に応える必要があることが示唆され、地域の学校経営コンサルテーション構想の潜在的なニーズと求められる課題が明らかとなった。
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