研究概要 |
トリアルコキシ置換TOT(TOT(O-n-CnH2n+1))(n = 4,6,12)のアニオン、中性ラジカルを合成し、それらの温度可変による偏光顕微鏡観察およびDSC測定によって、サーモトロピック液晶性を示すことが示唆された。さらに、ト リ ス{3,4,5-トリ(ドデシルオキシ)フェニル}置換体のアニオンはディスコチックカラムナー液晶相を発現している可能があることがわかった。本研究で合成した電子スピンや電荷が分子骨格上に広く非局在化した液晶性有機分子はこれまでに全く未知である。このような新しい有機分子システムについての分子レベルでの知見を蓄積すれば、3D画像表示に対応できる外部刺激に超高・応答が可能な液晶材料の実現の端緒が開けると考えられる。また、活発に研究が行われている有機薄膜太陽電池などの光機能性物質の開発や、光と電気・磁気の連動による高度な機能性を有する有機機能性材料の創出にも貢献でき、将来の新産業の基盤構築につながると期待される。
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